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シリーズ白岡遺産2『白岡遺産ストーリー1』鎌倉街道と幻の川「日川(にっかわ)」

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埼玉県白岡市

市域東部の台地を縦貫するように「鎌倉街道中道(なかつみち)」に比定される道筋が残されています。沿線には、安楽寺、大徳寺、正伝寺、忠恩寺、上野田鷲神社、高岩天満神社など、中世起源の寺社が並び、様々な伝承が残されています。この道筋をもとに江戸時代には、日光御成道(おなりみち)が整備され、江戸から11番目の一里塚が置かれました。
台地の西側を中世には利根川本流筋であった「日川」が流れ、西側の埼西郡(きさいぐん)と東側の太田荘(おおたのしょう)とを隔てていました。
日川は、村々のつながりや信仰圏などにも大きな影響を及ぼしてきました。村々は、鎌倉街道でつながる岩槻や春日部との関係が強い傾向にあり、鎮守(ちんじゅ)も日川西岸が久伊豆(ひさいず)神社を祀(まつ)っているのに対し、東岸では鷲(わし)神社を祀っています。近代になると「日勝村(ひかちむら)」を構成するエリアの中核となります。江戸幕府の利根川東遷(とうせん)事業の結果、水流は途絶え、すでに川はありませんが、今でも地域では親しみを込めて「日川筋」、「日川田んぼ」などと呼んでいます。

▽主な関連文化財群
伝鎌倉街道中道、薬師如来坐像(安楽寺・市指定)、円空作菩薩形坐像(安楽寺・市指定)、大日如来坐像(大徳寺・市指定)、大徳寺縁起、聖徳太子立像(正傳寺)、忠恩寺文書(忠恩寺・市指定)、山門(忠恩寺・市指定)、十三仏(忠恩寺・市指定)、九品仏(忠恩寺・市指定)、赤砂利遺跡出土和鏡、清左衛門遺跡道路状遺構、石橋供養塔、清左衛門遺跡、高岩天満神社奉納絵馬群(市指定)、日光御成道一里塚(県指定)、濱田家文書(一部市指定)、澁谷家文書(市指定)、上野田鷲神社、下野田鷲神社

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