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自治体の皆さまへ

山香病院だより vol.197

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大分県杵築市

■感染予防と予防接種について
感染管理認定看護師 安部 茂(あべしげる)

2023年(令和5年)5月8日に新型コロナウイルス感染症は感染症法(正式には感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)の新型インフルエンザ等感染症(2類相当)から5類感染症へ移行し1年が経過しました。新型インフルエンザ等感染症に位置付けられていた頃は、法律に基づき行政による要請や関与が行われていましたが、5類感染症移行後は個人の選択を尊重した自主的な取り組みに変りました。5類感染症へ移行してからも流行は繰り返し起きています(表1)。


表1.「定点当たり報告数 新型コロナウイルス感染症」
出典:東部保健所 別府地域(別府市・杵築市・日出町)感染症情報

明確な理由はわかりませんが感染対策が緩和したこともひとつの要因と言われています。コロナ禍時代のような感染対策は必要ありませんが「基本的な感染対策」は継続していく必要があります。
今回は、「基本的な感染対策」の3つのポイント(図1)についてお伝えすると共に、今秋から始まるワクチン定期接種について説明します。
※図1は本紙15ページをご覧ください。

○1.まずは「基本的な感染予防」3つのポイントです。
(1)場面に応じたマスクの付け外し
コロナ禍時代のように常にマスクを着けておく必要はなく、場面に応じたマスクの着け外しが大切です。屋内や公共交通機関内で人が混み合う場面や医療機関、高齢者施設などを訪れる時のマスク装着は感染対策に効果的です。

(2)換気
暦の上では秋ですが、まだまだ残暑が続き暑さ対策と共に感染対策に取り組まなければなりません。暑さの中、閉めきった部屋に人が集まりエアコンをつけ涼むことで密な環境となり、空気の入れ替わりも減少してしまいます。感染を予防するためにも定期的な換気が必要です。1時間に10~15分程度は窓を開け換気を行ってください。換気を行う際の注意点として、窓を開放することによって室温が上昇してしまいます。室温の上昇を防ぐためにも換気の間一時的にエアコンの設定温度を低くして急激な温度変化及び熱中症を予防することも大切です。それ以外の換気方法として、窓を常に10cm程度開けておく方法もあります。どの換気方法でも換気扇やサーキュレーター、扇風機を併用するとより効果的に換気が行えます。

(3)手洗い
新型コロナウイルスが人の皮膚に付着した後、9時間程度は感染させる力を維持させていたという報告があります。ウイルスの付いた手で目や鼻、口を触ることによって粘膜からウイルスが体の中へ入り込み、感染してしまうことがあります。ウイルスを体内に入れないためにも手を清潔にしておくことが大切です。手が洗えない時のために小型のアルコール手指消毒剤を携帯しておくのも便利です。

○2.次は、ワクチン接種についてです。
厚生労働省によるとワクチンを接種することで発症予防、重症化予防、全身症状の軽減、後遺症発現の低下といった効果が期待されております。今年の10月より65歳以上の方および60~64歳の方で心臓、腎臓または呼吸器の機能に障害があり身の回りの生活が制限されている方等を対象に定期接種が開始されます。接種方法などの詳細については、杵築市役所担当課へご確認下さい。

最後に、感染を予防するには皆さん一人ひとりの心がけと行動が必要です。「基本的な感染予防」を実行していきましょう。

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