今回は挾間町にある市指定重要文化財の鬼崎のスガメ石橋の紹介です。
国道210号線の由布市と大分市との境から福宗清掃工場方面へ約600m進むと、左に大きくカーブする地点があり、このカーブの右側には小さな里道の入口が2つあります。このうち左側の里道を進んだ先に、このスガメ石橋があります。
大分川の支流である鬼崎川に架かるこの橋は、橋長5m、幅員1.9m、橋の内側の高さである拱矢(きょうし)は1.5m、橋の内側の径を意味する径間は3.3m、アーチを構成する石の厚みである環厚は35cmを測ります。
また高欄は存在せず、16枚の角石を使った単一アーチ橋です。アーチ部分をそのまま橋面として利用し、両岸に接する部分にわずかに石積みを設けることで、滑らかに通行できるようにされています。スガメ石橋は別名をキンツジ橋、金槌橋とも呼ばれています。
国土交通省がウェブサイトに公開している河川伝統技術データベースではこのスガメ石橋が金槌橋として次のように紹介されています。
「挾間町の中で大分川右岸の旧谷村地区は、熊本藩領野津原手永の内であった。地区のはずれの大分市との境を流れる谷川に架設され、スガメ石橋とも呼ばれている。かつての飛脚街道といわれる小径の橋で、参勤交代道路の間道の役割も果たしていたものと思われる。」
また、架設年代は18世紀代と記載されており、実際に、県内に現存する石橋は江戸時代末期から明治・大正にかけて架設されたものがほとんどですが、江戸時代中期から後期のものと考えられる鬼崎のスガメ石橋は、その存在自体が極めて重要な価値を有するものであります。
当時の人々の往来や重い荷物を運んだりするための重要な役割を担っていた県内でも最古級な石橋です。
問合せ:社会教育課
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