本市所在の名勝「落門(らくもん)の滝」の国登録記念物への新登録について、10月20日(金)開催の国の文化審議会で文部科学大臣に答申され、この結果、名勝「落門(らくもん)の滝」が国の登録記念物に登録されることになりました。これで本市の国登録記念物(名勝地関係)は白水の滝(竹田市荻町陽目)とあわせて2件目となります。落門の滝は、岡(おか)藩主の中川久清(ひさきよ)(1615-1681)が、備前(びぜん)国岡山藩から熊沢蕃山(くまざわばんざん)(1619-1691)を招請して、その指導の下に寛文元年(1661)から同2年にかけて開削した城原井路(きばるいろ)の末流のひとつです。「滝の上」から落差約40mの崖下に広がっていた「下木(したぎ)」の水田に用水するために「滝」という形をとりました。この瀑布は、会々(あいあい)の滝、雲井(くもい)の滝、下木(したぎ)の滝、布引(ぬのびき)の滝、不動の滝など、さまざまに呼ばれてきましたが、今日、広く「落門の滝」の名称が定着しており、その名は、広瀬淡窓(ひろせたんそう)(1782-1856)が若い頃に初めて竹田に滞在したことを懐旧して詠んだ漢詩にある「斷崖泉落大夫門」(断崖の泉、落つる大夫の門)に由来すると言われています。崖下の水田は、大正13年(1924)10月の豊後竹田駅(ぶんごたけたえき)の開業以降、鉄道用地、道路、宅地となって今は無いが、今でも竹田駅舎の背後に切り立った崖地に懸かる滝の姿にかつての風光明媚を窺うことができ、「落門の滝」は城下町の風致景観の要を成してきました。ただし、人工の滝で本来は農業用水なので、水量が極端に少ない時もあれば、流れていない時もあります。全国的にも非常に珍しい特徴をもった滝だとも言えます。
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