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第235回 郷土の植物(426)

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大分県竹田市

■ロクオンソウ(ガガイモ科)
阿孫久見

日当たりのよい丘陵地(きゅうりょうち)の草地(くさち)に生育(せいいく)する高さ1メートルほどの多年草(たねんそう)です。茎(くき)も葉(は)も白緑色(はくりょくしょく)で茎は円柱形(えんちゅうけい)で直立(ちょくりつ)します。規則(きそく)正しく並(なら)ぶ柄(え)のない対生(たいせい)の葉は、ぎざぎざのない全縁(ぜんえん)で幅(はば)広い長楕円形(ちょうだえんけい)です。下部の葉ほど大きく長さ7センチ、幅が4センチほどです。葉の先は少しとがります。
夏の頃(ころ)、茎の上部(じょうぶ)の葉のわきから枝分(えだわ)かれした花柄(かへい)を出して径(けい)1センチほどの淡黄色(たんおうしょく)の5裂(れつ)する星形(ほしがた)の花を咲(さ)かせます。花のあと、長さが7センチもある片方(かたほう)が細(ほそ)くとがった広披針形(こうひしんけい)の袋果(たいか)を横向(よこむ)きにぶらさげます。
和名の由来(ゆらい)は不明(ふめい)です。別名を肥後白前(ヒゴビャクゼン)ともいい、肥後は熊本に産(さん)する意味(いみ)で、白前は同じガガイモ科のイヨカズラに当(あ)てた漢名(かんめい)です。
竹田では、産地極限(さんちきょくげん)の稀(まれ)な植物(しょくぶつ)で久住高原のごく限(かぎ)られた傾斜地(けいしゃち)で数個体(すうこたい)が観察(かんさつ)されます。大分県の絶滅危惧種(ぜつめつきぐしゅ)。花期は6月から7月です。

※10月5日(土)~30日(水)に、連載35周年記念『郷土の植物展2』を竹田市歴史文化館にて開催します。
10月5日(土)午後1時30分からは阿孫久見さんによるギャラリートーク!

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