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第236回 郷土の植物(427)

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大分県竹田市

■ナンバンギセル(ハマウツボ科)
阿孫久見

丘陵地(きゅうりょうち)や低山地(ていざんち)の草地(くさち)に生育(せいいく)する高さ10~20センチの1年草(ねんそう)の寄生植物(きせいしょくぶつ)です。よくススキやミョウガの根(ね)に寄生し養分(ようぶん)を摂(と)って奇主(きしゅ)に依存(いぞん)して生活します。葉緑素(ようりょくそ)がなく光合成(こうごうせい)(緑色(りょくしょく)植物が太陽光(たいようこう)をエネルギーにして水と二酸化炭素(にさんかたんそ)から有機物(ゆうきぶつ)を合成(ごうせい)すること)はしません。地上に出ないごく短(みじか)い茎(くき)から長い黄色(きいろ)の花茎(かけい)を伸(の)ばします。花茎には退化(たいか)した三角形(さんかくけい)の鱗片葉(りんぺんよう)が互生(ごせい)しています。
夏から秋の頃(ころ)、花茎の先端部(せんたんぶ)に1個(こ)だけ筒型(つつがた)の長さ4センチ、径(けい)3センチほどの浅(あさ)く5裂(れつ)する淡紅色(たんこうしょく)の花を横(よこ)向(む)きに咲(さ)かせます。花には黄褐色(おうかっしょく)のがくが花を包んでいます。
和名の由来(ゆらい)は形(かたち)がマドロスパイプに似ているので南蛮煙管(ナンバンギセル)の名があります。
竹田では里山(さとやま)のススキの生(は)えた草地で数本が並んでいるのが観察(かんさつ)されます。花期は8月から9月です。

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