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ハチオシ! 安全・安心への取組み 今あらためて考える「防災」

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大阪府八尾市

~能登半島地震の災害支援から~

令和6年1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」において、八尾市消防本部から緊急消防援助隊を派遣。その第1次派遣隊として震災直後の現地に向かい、4日間の活動を行った隊員の声をご紹介します。

◆改めて感じた、災害の恐ろしさ
1月1日、私は9時から高安出張所で勤務していました。16時10分、石川県能登地方を震源とした地震が発生、出張所でもかなり強い揺れを感じ、直後から石川県を中心に甚大な被害が出ているとの情報が次々と入ってきました。直ちに大阪府内の消防本部で編成する「緊急消防援助隊大阪府大隊」の派遣が決まり、私を含め2名が、前線で活動する隊員のサポートを行う「後方支援隊」の第1次派遣隊として現地に向かうことになりました。
大阪を出発したのは、1月2日の2時。地震発生から一睡もしないまま、災害支援車に乗り込み被災地へ向かいました。2日10時ごろ、大阪府大隊の野営地として指定された金沢市の金沢競馬場に到着しました。我々後方支援隊はすぐに、隊員約200名が野営できるよう、清掃や簡易ベッドの組立て、食事の提供などを行いました。
余震や寒さによりほぼ仮眠もとれない中、翌日早朝には活動拠点となる輪島市へ出動、道路には亀裂や段差が生じていたため、重量のある消防車で走行するのは不安が大きく、これまでにない緊張感がありました。野営地も輪島市立河原田小学校に移設しましたが、そこは全てのライフラインが断絶し、携帯電話も不通という厳しい状況で改めて災害の恐ろしさと共に、人間の無力さを痛感しました。
過酷な救助活動が続く中、うれしい場面もありました。発生から72時間が経過した4日夕方、大阪府大隊が倒壊した住宅から80代の女性を救出し、無事に病院に搬送されたと聞き、感極まりました。野営地でも、「ほかの人たちも大阪府大隊が助けるぞ!」と次々に声が上がっていました。
1月5日に第2次派遣隊の2名と交代し、4日にわたる任務を終えて帰還しました。消防本部からの派遣は1月25日をもって終了しましたが、今なお被災された人々が強い悲しみと日々戦っておられます。被災地に1日でも早く穏やかな日が戻ることを心から願うと共に、私たちの経験を本市の消防・防災に必ず生かしていきたいと思います。
第1警備課 司令補 木寅

■現地での活動の様子
※詳しくは本紙またはPDF版をご覧ください。

■本市の防災体制
◆消防車両
さまざまな車両を配置し、複雑化する災害に対して迅速に出場できる体制を整えています。

中核市である本市には、大規模な災害や事故に対応する「高度救助隊」を設置しており、画像探索機や地震警報器などの高度救助資機材を装備しています。

・救助工作車R55
火災や交通事故などに加え、地震災害や土砂災害などの自然災害に対する高度救助資機材を装備。機動性、利便性、高い収納力を併せ持つ、国内でも最新鋭クラスの車両です。

▽ここがハチオシ!
国内でも最新鋭クラスの車両を配備!

◆教育・訓練
高度救助隊は、人命救助に関する専門的かつ高度な教育を受けた隊員で編成。強靭な気力・体力、優れた判断力を併せ持つ精鋭が、「人命救助のスペシャリスト集団」として、効果的な部隊活動を展開します。

・土砂災害を想定した救出訓練
救助隊と消火隊による合同訓練。救助隊が安全に活動できるよう消火隊が支援し、救出活動を行います。

◆被災地へさまざまな支援を行っています
本市では令和6年能登半島地震により甚大な被害が発生している被災自治体を支援するため、職員派遣および支援物資を提供しています。今後も支援要請を受け次第、順次派遣を行い、市ホームページでお知らせします。

▽ここがハチオシ!
消防本部をはじめ、全庁をあげて職員を派遣!

■災害支援から見えた教訓 「命を守る備えを」
今回の任務でも実感しましたが、被害が大きいほど、消防や自衛隊の車両はすぐに到着できません。輪島市でも道路の寸断や土砂崩れなどで、行きたくても行けないという状況でした。日ごろから、備えをしっかり自分たちでしておくこと、これが命を守ることにつながると思います。(木寅司令補)

◆自助 一人一人が取り組む!
(1)避難所を確認
近くの避難所は、ハザードマップで確認できます。
確認方法:
・窓口での配布(市役所本館6階危機管理課、各出張所など)
・市ホームページで閲覧

▽ここがハチオシ!
リンク先ではハザードマップの見方を動画で解説!
※二次元コードは本紙参照

また、避難所に行くことだけが「避難」ではありません。親戚や友人宅、宿泊施設など、「分散避難」できる場所がないか、事前に検討してみましょう。

(2)非常持出品および備蓄品の準備
いざという時すぐに避難できるように、「非常持出品」の準備をしておきましょう。また、被害による影響が長期にわたる場合に備え、「備蓄品」も準備しましょう。
非常持出品の例:
非常食、飲料水、携帯トイレ、懐中電灯、電池、薬、マスク、ヘルメット、タオル、雨具、身分証明、現金など
備蓄品の例:
レトルト食品・缶詰・カップ麺、飲料水、下着・上着、毛布、タオル、カセットコンロ、日用品、上履き、寝袋など
※食料や飲料水は最低3日分、できれば1週間分以上備えることが推奨されています。
・備蓄には「ローリングストック」を!
ローリングストックとは、普段の食品を少し多めに買い置きしておき、賞味期限の古いものから消費し、消費した分を買い足すことで、常に一定量の食品が家庭で備蓄されている状態を保つための方法です。

▽ここがハチオシ!
持出品と備蓄品、どちらも用意しておくことが大切!

(3)家族で避難ルールを決める
災害は、家族がそろっているときに発生するとは限りません。日ごろから、災害が起きたときにどのように行動するかを家族で話しあっておきましょう。
・避難場所および避難ルートを決める
・連絡先と連絡方法を決める

◆共助 みんなで取り組む!
・「地区防災計画」の策定を進めています
本市には28小学校区があり、地域特性もそれぞれ異なっています。そのため、地域が主体となって、地域特性や想定される災害などを踏まえた地域の防災計画「地区防災計画」の策定を進めています。

■クイズやおQの答え
八尾市が中核市に移行したのは、平成30年4月です。中核市になり大阪府の仕事の多くが本市に移譲され、住民にもっとも近い基礎自治体として、より幅広く、きめ細やかなサービスの提供を行えるようになりました。令和6年3月現在、大阪府内には7つの中核市があり、本市は府内で5番目に中核市となりました。

問合せ:
消防本部予防課【電話】992-2275【FAX】992-7722
危機管理課【電話】924-9870【FAX】924-3968

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