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市史だより

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大阪府和泉市

■『和泉市の歴史』第5巻「府中地域の歴史と生活」が刊行

8回目の配本となる『和泉市の歴史』。今回刊行する第5巻では、府中とその周辺地域の歴史が描かれます。
1996(平成8)年に始まった市史編さん事業は、全9巻の刊行計画をもとに進められてきました。9巻のうち5巻は、市域を横山地域、松尾地域、池田地域、信太地域、府中地域の5つに区分し、それぞれの歴史的特徴を描く「地域叙述編」、3巻は、市域全体あるいは市域をこえて時代の特徴を示すテーマを取り上げた「テーマ叙述編」、残り1巻は「通史編」、という構成です。これまでに地域叙述編の4巻(横山・松尾・池田・信太)、テーマ叙述編の3巻が刊行されました。
そしていよいよ地域叙述編の最終巻となる、「府中地域の歴史と生活」が完成しました。
本のタイトルに「府中地域」とありますが、本巻では府中町だけでなく、府中とその周辺に広がる地域を対象にしています。具体的には和泉市ができる前にあった「和泉町」にあたる地域で、おおよそ、現在の和泉中学校区と郷荘中学校区に池上町を加えた範囲になります。
和泉市は1956年に和泉町を中心に誕生し、現在に至るまでこの地域に市役所が置かれてきました。もっと以前の歴史をひもとけば、「和泉」という地名の由来となったといわれる清水が湧き出た地であり、古代には和泉国の役所である国府がおかれました。
また、難波(なにわ)(大阪市)から紀伊国(きいのくに)(和歌山県)に至る熊野街道(のちの小栗(おぐり)街道)がこの地域を貫通し、大津(泉大津市)から槙尾山に至る街道と交わるという交通の要衝でもありました。道は人や物資はもちろん、新しい文化・宗教・思想も運び入れます。たとえば、市域には真言宗寺院が広く分布しますが、熊野街道に沿って日蓮宗や浄土宗・浄土真宗の寺院が存在するのはその現れでしょう。
市域南部から流れてきた槙尾川と松尾川は、ともにこの地域に流れ込みます。両河川が作り出した府中地域の平野部は、肥沃な耕地が広がり、古くから人びとが住んで集落ができ、やがては村となっていきます。人びとはさらにこの耕地を豊かに潤すため、約7kmも南に離れた丘陵に谷山池を築き、槙尾川を用水路のように使って水を下すという壮大な土木工事を成し遂げました。
本書を手に取って、まさに泉のように豊かにあふれるこの地域の歴史にふれてみてください。
本体価格2、857円。市役所文化遺産活用課、いずみの国歴史館、信太の森ふるさと館、池上曽根弥生情報館などで販売しています。

問合せ:文化遺産活用課
【電話】99・8163

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