■子どもたちの「やりたい!」を全力応援 部活動の地域移行
部活動は中学校生活の楽しみの一つですが、近年その活動の様子が変わりつつあります。
▽部活動の地域移行とは
少子化や教職員の働き方改革により、各校での部活動の継続が困難になってきている中、国は部活動の指導を地域に担ってもらう「部活動の地域移行」を進めています。大東市では現在、日曜日のみ活動していますが、今後は段階的に充実を図っていく予定です。
▽より専門的な指導が期待できる
通っている学校にない部活動に参加できたり、より専門的な指導を受けられたりするというメリットが期待されます。また、教員が部活動以外の指導に注力できることにより、教育環境の充実も図れます。
▽大東市は地域移行の先進都市!
大東市では早期に取り組むべく、文化庁による「部活動の地域移行に向けた実証事業」にエントリーし(文化部のエントリーは府内で3市のみ)運動部・文化部の各モデルケースとして、剣道部とメディア部が発足しました。
▼運動部のモデル 剣道部
市を東西で分け、現在2チームが活動しています。
週に1回程度の練習に加え、地域の高校と合同練習を行うこともあります。指導者は、部活動指導員やボランティアで市内中学校での剣道の指導に携わっている人などが登録しています。
▽大東剣西と枚方市剣道部(地域移行)の合同練習
練習は南郷小学校の体育館で午前9時から始まりました。気温10℃を下回る寒さの中、白い息を吐きながら準備をする生徒たちの足元ははだしです。日頃の練習では10人ほどの部員で練習していますが、この日は枚方市剣道部(地域移行)のメンバーが加わり約30人が参加しました。
指導者の小山さんは、普段は南郷小学校で校務員をしています。練習が始まると、普段の優しい雰囲気から真剣な表情に変わり、生徒に技術だけでなく、礼儀や武道の精神を教えます。
「中学校での部活動も楽しいけれど、地域移行の部活動は違う中学校の友達ができたり、いろんな人と練習したりできるので、いい刺激を受けられるし、強くなれると思います。中学校の体育館が工事をしているときも練習できたので他の部の友達からうらやましがられました。剣道以外でも部活動の地域移行を進めるのは良いことだと思います。」
南郷中学校(剣道部)2年 橋本さん
「剣道部のない中学校にも、剣道が好きで練習したい生徒がいます。地域移行の部活動は、子どもたちのやりたい気持ちを応援する素晴らしい取り組みだと思います。地域が活動を担うことで教員の負担が軽減された分、先生方は他の面で生徒のケアができるので、子どもたちのためにもますます地域移行が進展すればいいと思います。」
大東剣西 指導者 小山さん
▼文化部のモデル メディア部 府内唯一!
市内8中学校から約20人の生徒が参加し、月に2回程度、動画や番組の作成・編集・発信を行っています。市内小学校でICT関連の指導員として勤務している人や、アニメーション関係の専門学校で学んだ人などが指導者として登録しています。府内の公立中学校のうち、メディア部として活動しているのは大東市だけです。
▽J:COM出張授業
J:COM北河内局から講師を招き、番組制作で重要な「企画」について学びました。
普段あまり接することのできないプロの指導を受け、実践的な学びを体験しました。
▽ラジオ大阪「2023ラジオ・チャリティ・ミュージックソン」に出演
ラジオ大阪は毎年、音の出る信号機を設置するための募金活動を行っていますが、このたび大東市メディア部が、このイベントを紹介する「ラジオCM」を制作しました。ラジオCMの基礎や台本作成、アナウンサーによる話し方の講義などを受け、制作されたCMは昨年11月からオンエアされました。12月25日にはラジオ大阪の番組に出演し、プロの仕事を体験する貴重な機会となりました。
「中学校で所属している放送部の顧問の先生にメディア部のことを聞いて入りました。今までの活動では、アナウンサーの人に原稿の読み方を教えてもらったことが印象に残っています。地域移行の部活動の良いところは、自分と同じように声優をめざしている子と話ができるので、その中で新しい考えや意見を出せるようになったことです。」
大東中学校(放送部)1年 藤田さん
「私自身、声優の勉強をしていて、子どもたちにも教えながら自身も成長したいと思い指導者に志願しました。学校の部活動だけでは、こんなに外部の専門家から指導を受けられる機会はないと思います。今後は、このような地域移行の部活動の強みを活かして企画から台本作成、撮影、編集というように長期的なスパンで作品を制作できたらいいなと思います。」
メディア部 指導者 田島コーチ
現在は、運動部・文化部の各モデルとして、剣道部とメディア部が活動しています。今後も他の部活動の地域移行について検討しながら、引き続き学校・保護者・地域・指導者と連携を図り、部活動の充実に向けて取り組みを進めます。
問合せ:指導・人権教育課
【電話】870・9643
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