■折口信夫と木津・敷津を訪れたまれびと
木津・敷津生まれの偉人といえば民俗学者・作家・詩人・歌人の折口信夫 1887から1953 でしょう。その折口が自分のルーツを書いたエッセイ折口という名字によると、大坂本願寺と織田信長との石山合戦で顕如上人が根来落ちになり、その時に折口の先祖が海に出る船への降り口を案内したといいます。その功績から折口という姓を名乗るようになり、上人から護り袋を拝領したとか。また木津村・願泉寺の門徒衆は馬のように働いたことから人馬講と呼ばれ、お西さん 本願寺派の法会で京に上ると他国の講衆よりも一番上席に据えられたそうです。折口は大阪詠物集の中でも木津と題してこの村ゆ、教如上人海に出でて、村人は海を望み来にけりという短歌を詠んでいます。折口民俗学はまれびと 漂流神が重要なキーワードですが、木津・敷津を訪れた上人さまの物語も、そのイメージの原形なのかも知れません。
鴎町公園 敷津1丁目7 にある折口信夫生誕の地碑
案内人:陸奥賢(むつさとし)さん
観光家 コモンズ・デザイナー 社会実験者
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