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【特集】東大阪でつくる(1)

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大阪府東大阪市 クリエイティブ・コモンズ

東大阪市では、その昔、大和川の付替えにより、出来た新田で稲作が行われ、河内木綿の栽培も盛んに行われていました。しかし、工業化が進み、現在は徐々に農地が減少しています。
このような状況でも、東大阪市内で新鮮でおいしいものをつくり、消費者へ届けようと、誇りをもって野菜や果物などを生産する方がいます。
今回の市政だよりでは、こだわりをもって「東大阪産」を作る方を紹介します。

■「東大阪産」を知る
▼[米・野菜]手間をかけてあげると味、色が違う 50年以上のベテラン農家さん
宮崎行俊さんが育てているのは、お米や野菜で、トマトやきゅうり、ピーマン、なすびなどの野菜は大阪エコ農産物(※)に認証されています。
化学肥料の使用量を減らし、代わりに有機肥料を使用して栽培する方法は、時間も労力もかかりますが、宮崎さんは「野菜独自の色が出てきます。味もえぐみがなくなって、野菜本来の味をしてるから、お客さんから『味が違っておいしい』と言われます」と笑顔で話していました。
高齢化や後継者不足が原因で、ほかの農家さんから農地の管理をお願いされることも。お伺いした7月中旬は日差しも暑さも厳しく、農作業をするには大変な時期でしたが、「野菜や米を育てるのは大変やけど、一度食べてみてほしい。全然違うから」と嬉しそうに話していました。
田んぼと畑はあわせて約4町(約4万平方メートル)の大きさ。宮崎さんは一人で管理されています。
ピーマンは今年の市農産物品評会で大阪府知事賞を受賞しました。

(※)大阪エコ農産物とは
農薬や化学肥料の使用量を通常の半分以下で栽培された農産物のことで、大阪府が市町村・JAなどと連携し「大阪エコ農産物」として認証しています。
より安心で、環境にも配慮した農産物を届けるために、さまざまな工夫をしながら手間をかけて栽培される大阪エコ農産物ですが、東大阪市の認証件数(令和5年度は1214件)は府内No.1です。

▼[河内ブナ]食文化も伝統も残していきたい 市内唯一の養魚場
下六万寺町にある市内唯一の養魚場の山口養魚場では、河内ブナが養殖されています。河内ブナはゲンゴロウブナから作り出された養殖品種です。
「体高が高い(幅が広い)のが河内ブナの特徴です」と語るのは、5代目の山口裕二郎さん。養殖されている河内ブナの多くは釣り堀などに出荷されるそうで、「体高があり、小さくても引きが強くて釣り人さんにも人気があります」と山口さんは話していました。
また、河内ブナの洗い(刺身)や河内ブナの昆布巻きなど、郷土料理にも使われる河内ブナ。「東大阪に河内ブナが食文化として根づいてほしいし、河内ブナも残していきたい」と思いを語っていました。
河内ブナは特徴的な菱形の体型をしています。
河内ブナのえさには、小米(精米時に割れ、ふるいで選別された小さな米片)や臼弾きの際に出る未熟米、米ぬかを使用するなど、環境に配慮しています。
養魚場の隣には田んぼや畑が広がっており、養魚場の底の泥を畑に還元しています。また、ここで採れる野菜は大阪エコ農産物に認証されています。

▼[洋花]花のイメージを変えていく チャレンジを続けるフローリスト
花卉栽培が盛んな玉串地区で、清水信行さんはマム(菊)、ガーベラ、ひまわりなどの洋花を栽培されています。
「花は女性のものっていうイメージを壊したくて、シックな色の花を栽培しています」と話す清水さんの手には、黒やブラウンカラーといった普段あまり見かけない色のひまわりがありました。
東大阪の農業を盛り上げたいと話す清水さんは、「花も野菜も新鮮さが大切。消費者が近いから、ギリギリまで栽培したものを出荷できる」と近郊農業のメリットを語っていました。
年間60品種もの洋花を栽培。また、イチゴやミニトマトなども栽培しています。
シックで落ち着いた色をしたひまわり。男性にも人気です。

▽shimizu garden
場所:〒581-0822 大阪府八尾市高砂町5-14-4
営業時間:10時30分~16時
定休日:日曜日・月曜日・火曜日、不定休
花やブーケなどの販売やフラワーアレンジメントの教室なども行っています。
詳しくはこちら
【URL】https://shimizu-garden.com/

▼[イチゴ]100点をめざしていきたい イチゴへのこだわりは人一倍
KAWAURA FARMでは、イチゴを中心に落花生やオクラ、米などを栽培されています。栽培しているイチゴ『紅ほっぺ』は、甘味と酸味のバランスが良いのが特徴です。
「水耕栽培の費用を貯めるため、イチゴを作り始めたらイチゴに魅了されたんです」と川浦慎太郎さんは話します。
お子さんの誕生をきっかけに、栽培には化学農薬だけに頼らない、さまざまな方法での害虫防除に取り組んでいます。「毎シーズン100点のイチゴをめざしていきたい。やっぱりイチゴにハマっているんでしょうね」と語っていました。
完熟ぎりぎりまで育てているので、水分が多く一粒のサイズも大きいです。
こだわりのイチゴやオクラなどは大阪エコ農産物に認証されています。

▽KAWAURA FARM
場所:〒577-0005 大阪府東大阪市七軒家4-19
営業時間:(冬季のみ)10時~12時
問合せ先:【電話】070-5264-0831
定休日:水曜日
年末からGWごろにかけて、『紅ほっぺ』を販売しています。
※営業日時は変わることがあります。最新情報は公式Instagramをご覧ください。
詳しくはこちら
【URL】https://www.instagram.com/kawaura_farm/

▼[なにわポーク]おいしさの秘訣は梅酒の梅 市街地で育てるブランド豚
工場や住宅に囲まれた地域にある長瀬畜産株式会社では、ブランド豚『なにわポーク』が飼育されています。
「600頭ほど飼育している『なにわポーク』ですが、合成飼料などはなるべく使わずに、食品残渣(うどん・小麦粉・パン・お米などの食品ロス)を与えて成長させています」と良川視鉄さんは語ります。
また、梅酒メーカーの梅酒に使われている梅を砕いたものも食べているので、「梅のクエン酸で元気に成長して、甘くて灰汁も出にくい肉質になるんです」と教えてくれました。
飼育には苦労することもあるそうですが、味はとても自信があります。「ぜひとも『なにわポーク』を食べてみてください。これからの季節は鍋にも合いますよ」。
出荷するころには、体重が約110キログラム~120キログラムにもなるそうです。
東大阪市のふるさと納税返礼品にも選ばれています。

▽『なにわポーク』を味わうには
『なにわポーク』は長瀬畜産株式会社ウェブサイトで購入できます。
ウェブサイトには取扱飲食店も掲載しています。
詳しくはこちら
【URL】https://naniwa-pork.com/index.html

問合せ先:農政課
【電話】06-4309-3180【FAX】06-4309-3846

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