市立東大阪医療センターのスタッフがリレー形式で医療に関する情報などをお届けします。
■第87回C型肝炎について
□市立東大阪医療センター
消化器内科 石井修二部長
C型肝炎とはC型肝炎ウイルスにより起こる病気です。持続感染することで、慢性肝炎、肝硬変、肝癌と進行することがあります。現在、日本では100万人程度の感染者がいると推測され、未検査の人やC型肝炎と診断されていても治療を受けられていない人が多くいます。肝癌は減少傾向にありますが、年間約2万5000人が亡くなる病気で、その半数がC型肝炎によるものです。近年はめざましい治療薬の開発により、9割以上でウイルス消失が可能となってきています。
C型肝炎は、抗体を調べる血液検査だけで診断できます。抗体が陽性であれば、実際に持続的に感染しているかを調べる精密検査(HCV核酸増幅検査)を行います。精密検査が陽性であれば、画像検査などを追加し、癌がないことを確認し治療を行います。治療は8週もしくは12週の内服薬治療です。
このような検査、治療でウイルスを排除することができますが、治療後も少なからず発癌例が報告されていますので、定期的な検査が必要です。
問合せ先:地方独立行政法人市立東大阪医療センター地域医療連携室
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