近年、熱中症になる方が増加しています。日差しの強い時期に運動や作業をするときだけでなく、暑さに慣れていない初夏から注意が必要です。
過去3年間の本市の熱中症搬送件数は、2021年では145件、2022年では248件、2023年では341件と年々増加傾向。救急搬送件数の半数近くが65歳以上の高齢者となっており、発生場所は住居での発生が4割を占めています。
自身でできる熱中症対策・予防を行い、暑い夏を乗り切りましょう!
■どんなときに熱中症になる?
▼熱中症を引き起こす主な要素
▽環境
・気温が高い
・湿度が高い
・風が弱い
・エアコンのない部屋 など
室内でも閉め切った部屋や風通しが悪い場所では、熱中症の危険性が高まります。
▽からだ
・高齢者
・乳幼児
・体調がすぐれない方
・暑さに慣れていない方 など
高齢者は温度に対する感覚が弱くなり、暑さや喉の渇きを感じにくくなることで体内の水分量が減少し、熱中症にかかりやすくなります。
乳幼児は体温調節機能が充分に発達していないため、大人よりも熱中症にかかりやすいといわれています。背が低く、ベビーカーの利用などで地面に近い環境で過ごすことが多く、地表からの熱を受けやすくなります。
▽行動
・激しい運動や慣れない運動
・暑い日の外出
・長時間の屋外作業
・水分補給できない状況 など
運動や屋外作業時は熱が発生し、熱中症の危険性が高くなるため、短時間の作業や、それほど気温が高くない日でも注意が必要です。
■こんなときには要注意!
▼暑さ指数(WBGT)
暑さ指数(WBGT)とは、気温・湿度・輻射熱の3つを取り入れた指標で、熱中症の危険度を判断する数値です。
暑さ指数は環境省熱中症予防情報サイトで公開されています。
外出前や運動前にチェックしましょう。
▽暑さ指数(WBGT)31以上
注意すべき生活活動の目安:全ての生活活動でおこる危険性
日常生活における注意事項:高齢者においては安静状態でも発生する危険性が大きい。外出はなるべく避け、涼しい室内に移動する。
熱中症予防運動指針:危険(運動は原則中止)
特別の場合以外は運動を中止する。特に子どもの場合には中止すべき。
▽暑さ指数(WBGT)28~31
注意すべき生活活動の目安:全ての生活活動でおこる危険性
日常生活における注意事項:外出時は炎天下を避け、室内では室温の上昇に注意する。
熱中症予防運動指針:厳重警戒(激しい運動は中止)
熱中症の危険性が高いので、激しい運動や持久走など体温が上昇しやすい運動は避ける。10分~20分おきに休憩をとり水分・塩分の補給を行う。暑さに弱い人は運動を軽減または中止。
▽暑さ指数(WBGT)25~28
注意すべき生活活動の目安:中等度以上の生活活動でおこる危険性
日常生活における注意事項:運動や激しい作業をする際は定期的に充分に休息を取り入れる。
熱中症予防運動指針:警戒(積極的に休憩)
熱中症の危険が増すので、積極的に休憩をとり適宜、水分・塩分を補給する。激しい運動では、30分おきくらいに休憩をとる。
環境省「暑さ指数計の使い方」を参考に作成
WBGT(湿球黒球温度):Wet Bulb Globe Temperature
■熱中症警戒アラートと熱中症特別警戒アラート
これまで環境省や気象庁から発表されていた「熱中症警戒アラート」は法律上位置づけられるとともに、より深刻な健康被害が発生しうる場合に備え、一段階上の「熱中症特別警戒アラート」が新たに創設されました。
▽熱中症警戒アラート
発表基準:府県予報区等内のいずれかの暑さ指数情報提供地点において、翌日・当日の暑さ指数が33(予測値、小数点以下四捨五入)に達すると予測される場合
発表時間:前日17時ごろおよび当日5時ごろ
▽熱中症特別警戒アラート
発表基準:都道府県内の全ての暑さ指数情報提供地点において、翌日の暑さ指数が35(予測値、小数点以下四捨五入)に達すると予測される場合
発表時間:前日14時ごろ(前日10時ごろにおける翌日の予測値で判断)
▼熱中症警戒アラートや熱中症特別警戒アラートが発表されたら
不要不急の外出はできるだけ控えるようにし、熱中症予防行動をとりましょう。
熱中症特別警戒アラートは、気温が特に著しく高くなることで、熱中症による人の健康にかかる重大な被害が生じるおそれがある場合に発表されます。熱中症対策が徹底できていない場合は、運動、外出、イベントなどの中止、延期、変更などを判断してください。
■日頃からの予防が大切 熱中症対策
▼Point1
▽暑さを避けよう
・扇風機やエアコンで温度を調節
室温は28度を目安に
・遮光カーテン、すだれ、打ち水を利用
・暑い日、時間帯は無理をしない
・外出時は日傘や帽子を着用
・通気性のよい衣服を着用
・保冷剤、氷、冷たいタオルなどでからだを冷やす
▼Point2
▽こまめに水分補給をしよう
・飲み物を持ち歩く
・喉が渇く前に水分補給
入浴前後や起床後も水分補給をしましょう
・1日あたり1.2リットルを飲料水から摂取するのが目安
・塩分補給も忘れずに
▼Point3
▽暑さに備えたからだづくりをしよう
・暑くなり始める前から適度に運動
・無理をしないで休養を
体調が悪いときは無理せず自宅で静養しましょう
・充分な睡眠
寝苦しい夜は、通気性の良い寝具を使うなど、ぐっすり眠れる工夫をしましょう
・栄養バランスを考えた食事
主食・主菜・副菜を組みあわせたバランス良い食事を心がけましょう
▼Point4
▽声をかけあおう
・家族やご近所同士で「水分とってる?」「少し休んだほうがいいよ」などの声かけを
・熱中症にかかりやすい高齢者や子どもは、周囲が協力して注意深く見守るようにしましょう
問合せ先:健康づくり課
【電話】072-960-3802【FAX】072-970-5821
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