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[特集]だれもが社会参加できる 共生社会をめざして(2)

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大阪府河内長野市

■Interview[インタビュー]特性に合わせ、みんなが活躍できれば
障がい者雇用をしている 学校法人千代田学園
○5年前から始めた障がい者雇用
当初、本学園自体に障がい者雇用をするという認識がなかったので、採用を始める際に、事前研修を行いました。また、どんな仕事をしてもらえそうか、どう接したらいいかなど、職員間で相談し雇用する準備をしました。公募をして25人の方から応募があり、面接などで2人を採用しました。
始めは各部署にある様々な仕事をして欲しいと、一つの部署への配置は行わず、席を事務室の中心に準備し、各部署から仕事を依頼するような形態にしました。これは結果としてうまくいかず、職員はどんな風に声をかけ仕事を依頼していいかが分からず、直接本人にではなく、管理職に声をかけるようになってしまいました。管理職がいないと仕事を進めることが難しかったため、翌年からは部署への配属を行いました。

○特別扱いせずに接する
訓練ではなく、仕事として給料を支払うので、特別扱いせず、他の職員と同様に接するようにしています。普通に接するあまり、厳しく言ってしまった時は、次からの伝え方を考えたりしました。
個人個人で得手不得手があり特性がありますが、「窓口に出てみよう」など、それぞれにあった宿題を出すようにしています。仕事依頼時には、内容が伝わるよう言葉を考えた上で依頼する必要があるので、時間がかかってしまいます。ただ、分からないことは聞いてくれますし、一つひとつ伝えれば理解してくれるので、人手が足りないときの単純作業から、日々の事務処理など助かる点も多くあります。

○試行錯誤しつつ、日ごろから気軽に相談と共有を
きららさんの就労定着サービスが月一回あり、困りごとがあった場合は内容を共有しています。当学園でもその日の様子を課内で共有し、どうしていくかを相談するのですが、会議の場を設けるわけでなく、日ごろから気軽に話せるようにしています。
やはり実際に接してみないと分からないことも多くあるので、日々試行錯誤しながら接し方を経験的に身につけています。落ち着いて仕事ができるように、みなさん意識していると思います。できないこともありますが、周りがサポートに入って、仕事が止まっていれば指示をやり直し、基本的には困っていそうな時などには声をかけるようにしてます

○どんな人も活躍できる組織に
障がい者雇用は、その組織にとっていい面が多くあると思います。人に教えるということは職員へのハードルにはなります。ただ、どんな人に対しても仕事を説明できるようになる必要があり、それを学べるということは職員にとってもかなり大きな成長につながると思っています。もちろん、雇用される方も最低限、働くという認識を持つことも重要です。仕事は一人でするものでなく、組織で行うもの。どんな人が組織にいたとしても、活躍できるようにしていきたいです。

■そのほかの就労支援
○障がい者就労相談支援事業
市が委託している「相談支援りんく」では、就労相談支援員を配置し、利用者および家族、事業主などからの就労全般に関する相談に応じ、利用者の求職活動の支援を行っています。障がい者の雇用・就労に関する啓発活動を行うとともに、職業訓練の紹介や職場体験、職場適応および定着に向けて関係機関と連携して支援を行っています。

○障害者就業・生活支援センター(通称 しゅうぽつ)
障がい者雇用促進法に基づく公的機関で、障がい者の職業生活を支援するため、雇用・保健・福祉・教育などの関係機関と連携し、身近な地域に相談拠点を置き、就業面・生活面における一体的な支援を行います。利用期間の定めはありません。

◆だれもが働きやすい社会へ
一般企業に就職して働く障がい者には、市内だけでなく近隣の市町村や、大阪市内まで通勤している人たちもいます。障がい者雇用の形は、フルタイムの正規社員や、短時間、隔日など働き先によって様々です。
障がい者が、その特性や能力を発揮して、社会の一員として働くことは、特別なことではありません。「一緒に働く同僚として、先輩・後輩として、仲間として、その人そのものを理解し、協力しあう」ただそれだけです。「できないこともあるけれど、あなたよりもっとできることがある」「できないことは少し協力して欲しいけれど、あなたを助けることもできる」。働く障がい者や地域で輝く障がい者など、だれもが社会参加しやすい、働きやすい社会を実現しませんか。

◆[インタビュー]実際に働いてみて
○支えられて当たり前ではなく個人の努力が大事
農業でチームを支えるAさん
昔から実家の田んぼの手伝いをしていたこともあり、始めは親戚の農業を手伝っていました。せっかくならしっかり学んだら、と親戚に進められ農業大学で学び、現在の農業の会社へ正社員として就職しました。職場のキャッチフレーズ「働いて笑おう」に支えられ、働くことが生活の中心となり、10年近く経過しました。現在は、障害者就労・生活支援センターと相談支援りんくさんの支援を受け、チームを統率するリーダーとして、スタッフへの指示出しや相談など、悩みながらも楽しく仕事をしています。
これまでを振りかえり、支援を受けられたことで安心感があったと思います。色々なコミュニティを経験できたからこそ、個性を発揮していくことが大事だと今は感じています。ただ、支援を受けるだけでなく、「支えられて当たり前」ではないということを認識し、個人が努力することが大切だと思います。両親にはいろいろと迷惑をかけたので、これからは親孝行をしたいですね。

○みんなの役に立てることがうれしいです
事務で会社を支えるBさん
就労移行支援事業所きららさんに紹介してもらい、市内の会社で請求書などの文書をパソコンで入力したり、郵送の対応や清掃、臨時で頼まれる印刷などの仕事をしたりしています。覚えることも多く、慣れないこともあり大変ですが、職場で相談に乗ってくれたりするので安心して仕事に通えています。
働いていて、この手伝い終わりましたと報告した時に、「ありがとう、助かったよ」と言われると、自分でも役に立ってるんだな、と思えてとてもうれしいです。
やっぱりミスもするので、その時、自分はこういうことができないんだなぁと、改めて認識します。ただ、気負いすぎると滅入ってしまうので、好きな本を読んだり買い物をしたり、リフレッシュして仕事に行き充実した毎日を過ごしています。

問合せ:障がい福祉課

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