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特集 レコードとコーヒー(2)

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大阪府高槻市

■自家焙煎コーヒーの魅力
・コーヒーだけでもいいけれど、そこに音楽があれば、よりリフレッシュできる。ゆったり浸れば、きっと心も軽くなるはず
・自家焙煎はモカ、ブラジル、グァテマラ、マンデリン、コロンビア
・ここちいい空間には好きなものや思い出の品も欠かせない

◆自分好みのコーヒーに聴きたい音楽を添えるぜいたく
珈琲 秀辺留豆(しゅうべると) 店主 吉田進さん
自分で焙煎すれば、ほかでは味わえないコーヒーが楽しめるはず。手間をかける時間もまた、心を満たしてくれる。
「自家焙煎コーヒーの良さは、自分の味が出せることです」というのは、40年以上も続く老舗のマスター、吉田さん。「何度も焼いてみるうちに、もう少し火を入れた方がいいなど、感覚がつかめてきます」。
吉田さんは芸大でピアノを専攻し、以前は講師なども務めていた。店名どおりクラシック音楽が流れ、心が落ち着くような喫茶店を開きたいと、昭和56年、駅前の再開発に合わせて開店。好みの浅煎りのモカを仕入れられなくなったのをきっかけに、現在は5種類を自家焙煎する。
自家焙煎は一つ一つのステップそのものが癒しの時間になる。いろいろ試すことで自分の好みがわかっていくのは、焙煎もクラシック音楽も同じ。「自家焙煎をすることで、生活のうるおいや楽しみも増えるのではないでしょうか」と吉田さん。焙煎したばかりのコーヒーを飲む楽しみもまた、自分で焼くからこその特権だ。

・焙煎は、店を閉めてから1種類ずつ取り組む。コーヒー豆は焙煎後から劣化していくので、少量ずつの方が望ましい
・「クラシック音楽や絵画などの芸術を、人と語らいながらコーヒーとともに味わう時間はかけがえのないもの」と吉田さん

◆吉田さんがアドバイス おうちで自家焙煎コーヒーを楽しむなら
コーヒーの焙煎というとなんだか難しそうだが、少量ならフライパンでも可能。
銀杏を炒るような網のふたがついたものがおすすめなのだそう。

▽POINT1 生豆を寝かせる
コーヒーの生豆はインターネットなら少量でも入手できる。生豆はまだ若いので火が通りにくく、香りが立たない。冷暗所で1年ほど、モカなど浅煎りに向く豆は2年ほど寝かせると自然に乾燥が進み、豆本来のいい味と香りになる。
・生のコーヒー豆は白っぽく青みがかっている

▽POINT2 焦がさない
直火にはかけず、火加減は鍋を上下に動かしながら調整。豆にまんべんなく火が回るよう鍋を振ってコロコロ転がして。パチパチ鳴って煙が出てくると薄皮が弾けてきた合図。ここから一気に火が入ってくるので目指す色になったらすぐに火からおろす。
・自家焙煎にトライするなら150g前後がおすすめ
(写真)吉田さんの自動式焙煎機 ※詳しくは本紙をご覧ください。

▽POINT3 一気に冷ます
すぐに平らな器に移し替え、余熱でこれ以上焙煎が進まないよう、うちわなどであおいで急いで冷却。傷んだり焼きムラがあったりする豆を取り除き、完全に冷めたら保存容器へ。
・なるべく多くの豆に風が当たりやすい器を。風通しがいい平ザルもいい 

▽POINT4 1日以上置いてから
コーヒーの味は翌日から「コーヒーらしく」なる。ただ、コーヒーは嗜好品。焙煎したての香ばしい風味はその時だけのもの。同じ豆とは思えないくらい違うので、タイミングを変えて好みを探してみては。
・焙煎したての豆で淹れたモカ(左)と、寝かせた豆(右)で淹れた本来の色のモカ ※詳しくは本紙をご覧ください。

■MEMO 同じ豆でも焙煎度合いが違うと別物になるのが自家焙煎の奥深さ
焙煎の度合いは火の通りが浅い順に「浅煎り、中煎り、深煎り」となり、日本では8段階に分けられている。浅煎りは酸味を感じやすく、華やかな香り。深煎りになるほど苦味が出て、コーヒーらしい香りになる。豆と焙煎度の相性もあり、例えばモカなら浅煎りのほうがほどよい酸味と香りが立つが、マンデリンは浅煎りだと酸味が出過ぎてしまうので深煎りがベター。いずれにせよ火が入りすぎると、煙っぽい苦味が増すので要注意だ。

(1)生豆
(2)ライトロースト(極浅煎り)
(3)シナモンロースト(浅煎り)
(4)ミディアムロースト(中浅煎り)
(5)ハイロースト(中煎り)
(6)シティロースト(中深煎り)
(7)フルシティロースト(深煎り)
(8)フレンチロースト(深煎り)
(9)イタリアンロースト(極深煎り)
※詳しくは本紙をご覧ください。

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