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[国保中央病院より]肝硬変について

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奈良県 三宅町

肝臓の病気、特に肝硬変についてのお話をします。みなさまは、肝臓の病気というと、肝炎、肝硬変、肝臓がんなどを思い浮かべますでしょうか。そして、肝臓を悪くする原因としては、ウイルスやアルコールを思いつく方が多いのではないでしょうか。また、肝臓は沈黙の臓器といわれ、症状がないにもかかわらず、病気が進行していることがあります。そのひとつが肝硬変で、肝臓の炎症が6か月以上続く慢性肝炎という状態が何年も続くと、知らないうちに肝臓がかたくなっていることがあります。それが肝硬変です。肝硬変になると健康な肝臓の細胞が少なくなり、様々な影響が出現します。しかし、肝硬変の初期には、なにも症状がでないため、肝硬変になっていることに気が付かない場合もあります。
肝硬変の原因は、多い順に、C型肝炎、アルコール性肝炎、B型肝炎、原因不明、非アルコール性脂肪肝炎、自己免疫性肝炎となります。非アルコール性脂肪肝炎とは、お酒をあまり飲まないにもかかわらず、アルコール性肝障害に似た、肝臓へ脂肪が蓄積し炎症がおこる病気です。自己免疫性肝炎とは、免疫の異常が関連していると考えられる肝炎で、中年以降の女性に好発します。
肝硬変は、進行すると様々な症状がでます。足のむくみ、腹水、食道胃静脈瘤、意識障害、筋肉のやせ、こむらがえり、かゆみ、肝がんなどがあります。
肝硬変の治療については、原因を治療することが第一となります。C型肝炎は、近年ウイルスに対する薬が多く開発され、多くの患者さんがウイルスを駆除できるようになりました。アルコール性肝炎に関しては、アルコールをひかえることが基本となります。非アルコール性脂肪肝炎については、特効薬はなく、食事・運動による体重減少が基本となります。
肝硬変は気付かないうちに進行することも多いです。症状がなくても、定期的に血液検査や腹部エコー検査などの肝臓の検査を受けるようにしましょう。

内科部長 澤田保彦

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