■今回のテーマ
ヒートショックを予防しましょう!
寒い時期には入浴中の突然死が多発します。この突然死には「ヒートショック」が関係しています。ヒートショックの影響による死亡数は現状明らかになっていません。入浴中の死亡者数は年間1万9千人いると推計されたことがあり、お風呂で多くの方が亡くなっていることがわかります。
▽ヒートショックとは
ヒートショックとは、暖かい部屋から寒い部屋への移動などによる急激な温度の変化によって血圧が上下に大きく変動することをきっかけにして起こる健康被害のことです。失神や不整脈を起こしたり、急死に至る危険な状態で、気温の下がる冬場に多くみられます。
▽入浴時は特に注意!
ヒートショックは、体全体が露出する入浴時に多く発生します。住宅内においても、暖房をしていない脱衣所や浴室では、室温が10度以下になることも珍しくありません。寒い脱衣所で衣服を脱ぐと急激に体表面の全体の温度が下がります。この刺激をきっかけに血圧が急激に上がります。一度、急上昇した血圧は、浴室のお湯につかると血管が広がり、反対に急激に低下してしまいます。この急激な血圧の変化が失神を起こす原因の一つと考えられます。外気温が低くなる1月は、入浴中に心肺機能停止となる人が最も少ない8月の11倍にもなり、原因はヒートショックによるものといわれています。
▽入浴時のヒートショックを防ぐ5つのポイント
(1)浴室や脱衣所、トイレへの暖房器具の設置
冷え込みやすい脱衣所や浴室、トイレを暖房で暖めることは効果的な対策の一つです。
(2)今日からできる対策
シャワーを活用したお湯はりが効果的です。高い位置に設置したシャワーから浴槽へお湯をはることで、浴室全体を暖めることができます。湯沸しの最後の5分を熱めのシャワーで給湯しても十分効果があります。
(3)湯温設定は41℃以下
人によって影響は異なりますが、お湯の温度は、41℃以下にしておくことをお勧めします。
(4)一人での入浴を控える
可能な場合は、家族による見守りや日帰り温泉等を活用し、1人での入浴を控えるといった方法も有効です。
(5)食事直後・飲酒時の入浴を控える
食後1時間以内や飲酒時は、血圧が下がりやすくなるため、入浴を控えた方がよいでしょう。
これから寒くなる季節、暖房をうまく取り入れ、入浴方法に気を配ることでヒートショックを予防しましょう。
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