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診療所からこんにちは

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奈良県下北山村

第4回:子宮頸がんについて
〜ワクチンと検診で根絶を…!〜

寒さも本格化しておりますが、いかがお過ごしでしょうか。我が家はもうすぐクリスマスということで子どもたちもそわそわとしております。
さて、今回は子宮頸がんについての最新情報をお伝えしていきたいと思います。海外ではワクチン接種が進み、数十年以内に根絶される予定になっていますが、日本ではそのワクチン接種が進んでいないのが現状です。そこで今回は、
1.ヒトパピローマウイルス
2.子宮頸がんについて
3.ワクチン副作用の真実
の3本立てでお話をしたいと思います。

■1.ヒトパピローマウイルス
まず、子宮頸がんは他の癌と違い、ウイルスに感染することが原因とされています。同じような癌ではピロリ菌が胃癌を引き起こすのは有名な話ですね。このヒトパピローマウイルスは世の中に普通にいるウイルスで、性的接触のある女性なら2人に1人は必ず一度は感染していると言われています。このウイルスに感染した人の一部では、子宮頸がん、膣がん、肛門がんを引き起こします。また男性も当然感染し、尖圭コンジローマというイボが陰茎にできたりしてかなり不快な思いをします。ヒトパピローマウイルスの中でも癌を起しやすい、ハイリスクと呼ばれる16型と18型が問題と言われています。

■2.子宮頸がんについて
日本では後述するワクチン接種率の減少によって子宮頸がんで亡くなる人が増え、毎年約1万人が子宮頸がんにかかり、約2,800人が亡くなっています。恐ろしいことに毎年です。特に40歳未満の女性は130人が毎年命を落としています。最近では2年に1回の子宮頸がん検診によって早期発見、早期治療で難を逃れられることもありますが、検診では2人に1人は癌を見つけられない可能性があります。最近では検診の際にヒトパピローマウイルスの検査を行って発見率をあげようといった試みもあります。さらに早期発見ができても、子宮をすべて取り妊娠ができない体になったり、頸部の一部を切り取ることから後の妊娠、出産に大きな影響が出てしまいます。実際に円錐切除という一部を切る治療を行った方の2割は早産で大変な思いをすると言われています。

■3.ワクチン副作用の真実
海外では、子宮頸がんワクチンと検診の両方がかなり浸透したおかげで、10年で死亡者は半減、数十年後には撲滅される癌と言われています。しかし残念ながら日本では風評被害によってワクチン接種率がほぼ0であり、今後癌の大流行を引き起こすと言われています。今後10年で10万個の子宮が失われると予想されております。
ヒトパピローマウイルスのワクチンであるガーダシル(R)を打って、体が動かなくなった(複合型局所疼痛症候群)患者がおります。その患者の症状に嘘はありません。しかし実は、ヒトパピローマウイルスのワクチンによって症状が出ているわけではなかったのです。実際にヒトパピローマウイルスワクチンを打って同様の症状になった人と、打ってないのに同様の症状になった人の数は変わらなかった(10万人に20~30人)のです。当然、ワクチンを打つからには副作用には十分に気をつけないといけません。2万人に1人に腕の痛みなどとはいえ副作用が出ると言われています。しかしワクチンを打てばヒトパピローマウイルスの感染を90%以上防いでくれるのです。
一方で今後の問題は、そもそもヒトパピローマウイルスは女性だけでなく、男性も感染に関与していると言う点です。男性も、先程の尖圭コンジローマや咽頭癌などの発症を防ぐことができるため有効なワクチンなのです。今後は男性も含めてすべての必要な方がワクチンを打てるように法整備が進むよう願っています。
下北山村の診療所では現在、ガーダシル(R)ではなく、シルガード(R)という別のワクチンを採用しています。シルガード(R)はよりたくさんの型のヒトパピローマウイルスを防いでくれます。もしもこの記事を見て気になった方がいればぜひご相談ください。男性も自費になるのですが接種が可能なので、ぜひお待ちしております♪

下北山村診療所 田口 浩之

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