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議会だより 令和5年 第3回 山添村議会定例会の結果(4)

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奈良県山添村

〔質問〕奥谷和夫 議員
▽村職員のメンタルヘルスの現状と対策について
1.職員のメンタルヘルス不調により、長期病休、早期退職が多いと感じるが、その推移と現状はどうか。
2.その要因についてどう考えているか。
3.長期病休の職員に対する職場復帰に向けた対応はどうしているか。
4.奈良県は職場の環境改革推進のための推進会議を設けているが、本村の対応はどうか。

〔答弁〕野村 村長
村職員の長期病休、早期退職は現在、職員数の約1割に達している。一概にメンタルヘルス不調が原因とは言い切れないが、国・県からの調査・資料提出はメール等の電子媒体を通じて年々増える一方で、小規模自治体では処理しきれない事務量になっている。職場内では常に業務や書類の整理に力を入れているが、大規模自治体の職員数と比較すれば、約10分の1の職員数で事務処理をこなすのには限界があると感じている。そんな中、職員が少しでも安心して勤務できるよう、副村長を長として安全衛生委員会を組織し、万一メンタルに不調をきたした場合に、職場復帰のための指導や支援を充実させている。多くの課題や職務に立ち向かいながら、村民の皆様のご期待に沿えるよう、日夜努力している職員に免じて、ご理解いただきたい。

〔質問〕三宅正行 議員
▽馬尻山のメガソーラーについて
この計画が明らかになって4年余り、地元区長を中心に住民が反対運動を繰り広げてきた。本年4月1日に、事業者のフィットの認定が経産省によって無効とされた。また、「奈良県太陽光発電施設の設置及び維持管理に関する条例」が10月に施行されることとなっている。そこで2点についてお伺いする。
1.今後の事業は、どのようになると認識されているか。地元民の間では、事業の継続か土地の転売かとの憶測が広まっている。事業者に確認することが、住民の安心につながると思うがどうか。
2.県の平成4年12月付「林地開発許可」では、ゴルフ場建設がとん挫したときは、この許可を取り消す旨の記載がある。村から県に対してこの許可の取消しを積極的に働きかけてはどうか。

〔答弁〕野村 村長
先ず、馬尻山のメガソーラー事業の今後については、開発事業者が決めることなので、村としては申し上げようがない。フィット認定が失効になったと聞いているが、事業の継続か土地の転売かに関しては、開発事業者から「検討中である」と聞いている。今後この事業が継続されなかった場合、土地の転売等も予想され、大きな課題となる。
次に林地開発許可に関しては、県の対応となるが、県は事業者に対して、「申請には、事業者が変わったことと事業内容が変わったことに対する、地元住民の同意が必要である」と説明している。現状では申請すらできない状況である。また、林地開発許可の取消しに関しては、何度か県に確認したが、「前例がなく、無理と思われる」との回答であった。積極的には感じられないかもしれないが、村としてできる限りの対応をしている。

〔質問〕野村信介 議員
▽さらに抜本的な対策について
野村栄作村政発足から2年が経過した。新しい政策のおかげで、少しずつ変わっているようにも見えるが、まだ効果は乏しい。私は、もっと効果的な政治改革を講じる必要性を感じている。そこでお伺いする。
1.村の中核である農林業後継者の育成や、事業継承の潤滑化のために、さらなる改善策を講じてもらいたい。村長の考えは。
2.後継者のいない山林や田畑や、大規模開発が進まないままになっている土地を、村が借り受けるなどの方法で事業に活用することはできないのか。それが、村の景観や自然、水源を守る抜本的な対策になると期待するが、村長の考えは。

〔答弁〕野村 村長
村は、リーダー的担い手育成を図るため営農組織へ積極的に補助事業を活用し、機械・設備支援、また茶業効率化を図るため水分や施肥の自動供給設備を導入することで、収量・品質の向上、そして省力化により、後継者育成、更には、継承できやすいハード整備の推進を図っている。
また新しい人を呼ぶことも重要だと考えており、農家と営農希望者をつなぐマッチング事業を開設した。農業を手伝ってほしい、後継者がほしい、村内の方とどうやって始めたらよいか分からない、体験したい人とマッチングし、人と人をつなぎ呼び込む施策である。村の農業法人から農家のおじいさん、おばあさんにまで目を向けて、新たな希望者が農業継承できるよう拡大していこうと考えている。呼び込み、学び、村の農地で営農及び就農へ進めていけるサイクルをめざす。国勢調査の結果では、山添村は、産業従事者総数のうち農業従事者数の占める割合が県内で最も高く、農業に係わっている人が多い村となっている。その家族内で、親・子・孫で自家農業に共同して取組むことや会話をすることが将来の後継者を育む大切なことであり、家族内でも考えていただきたい。更に、カーボンニュートラルやSDGsを視野に入れた農業を村として進めていく計画である。その1つが有機栽培や自然農法である。より健康的で付加価値のある作物の生産を村全体で取組みたいと考えている。
そして、国も推奨している、オーガニック・ビレッジ宣言をしたい。現在進行中の慣行農法による農業も大切にしながら、有機栽培を少しずつ増やしていくとともに、有機栽培や自然農法を学べる場を設置し、営農希望者を集め将来の担い手、後継者が増えればと考えている。有機栽培や自然農法で育てた野菜を学校給食の食材に使えたら、素晴らしいことと思う。
次に土地の借り受けについて、村は目的もなく、土地の購入や借り受けをすることはできない。目的があり、その目的が村民にとって有益であり、その目的を達成するために、その土地が必要となったときには、議会や村民の理解を得て、購入や借り受けをすることは考えられる。景観・自然・水源を守る対策としては、田畑等の農地については、農業後継者の育成、農業の新規参入者の募集等に力を入れ、農地として維持管理すること。また山林についても、林業者の育成や山林所有者に施業放置林事業による間伐、混交林誘導整備事業などを活用していただき、山林の適切な維持管理をお願いすることにより、対策としたい。

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