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椿井遺跡の発掘調査

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奈良県平群町

教育委員会では、令和6年2月から4月にかけて、椿井地内で店舗開発に伴う埋蔵文化財発掘調査を実施しました。開発予定地は矢田丘陵の西麓、竜田川の東岸に位置します。一帯は弥生時代から江戸時代にかけての遺跡である椿井遺跡の範囲内にあり、一部が耕作地となっていました。
平成25(2013)年度に同じ敷地内で部分的におこなわれた発掘調査では、古墳時代の溝やピット(竪穴(たてあな))群、古代の土地区画である条里(じょうり)の境界として掘られた可能性のある奈良~平安時代の溝などが検出され、古墳時代の集落の存在や、古代の開発の様子が垣間見えました。また、大陸伝来の生産技術を必要とする初期須恵器も出土し、古墳時代中期の早い段階で平群谷に渡来系文化が流入してきていたことがわかりました。
今回は調査区3か所、約656平方メートルの発掘調査を実施しました。特に、最も面積の広い第1調査区(約580平方メートル)では、古墳時代の溝や、平安時代前期頃にかけての掘立柱(ほったてばしら)建物4棟、柵または塀などが検出されました。平群谷の周辺部では、中世に耕作地化が進められることが町内各地の発掘調査から判明していますが、今回の調査はそれに先行する古代の遺構の広がりを面的に確認できた点で意義深いものでした。
このほか、第1調査区からは二上山産とみられるサヌカイト製の石槍(せきそう)が出土しており、古墳時代の溝から出土した弥生土器の壷とともに、弥生時代には人びとがこの地で活動していたことが再確認されました。
今回の発掘調査で出土した遺物の一部は、奈良県立橿原考古学研究所附属博物館で開催中の速報展『大和を掘る39』にて解説パネルとともに展示されています(9月16日まで)。この機会にぜひご観覧ください!

問合せ:教育委員会総務課

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