■住みよい楽しい地区になるのが一番
伊藤 喜幸さん(代) おはじきアート代ヶ崎の発起人
震災直後、「防潮堤ができたら海が見えなくなってしまう」ということが第一印象でした。日々海を見て過ごしてきた我々にとって、海が見えないというのはすごく寂しいことです。
海が見えないと津波に対する考え方が違ってきます。海が見えて、ここは低いから必ず逃げるという教えの方が、防潮堤を高くして安全だというよりは、人の命が救われるというのが持論です。
防潮堤が完成して、目の前のコンクリートを見ているうちに、ここに住んでいる価値があるのかとまで思いつめた時期もありました。
震災後は、代ヶ崎浜のみんながしゅんとして活気のない地区のようでした。用事がなければここには来ない。昼間人口が少ないので、日中は人っ子一人いない、さびれたところでした。
これではだめだと思い、地区がどのようにしたら活性化するか、夏祭りなどのイベントも考えましたが、この防潮堤を逆手にとって楽しいことを考えられないか。子どもたちなどに絵を描いてもらったらと思いついたんです。瀬戸物の破片やガラスなどを張ることも考えたんだけど、最終的におはじきに落ち着きました。
しかし、いざ県に申請すると、代ヶ崎浜は特別名勝松島という景観の規制が厳しく、なかなか許可が下りなかったんです。
実は心の中では、こりゃだめだなとあきらめモードだったんです。町の職員と一緒に何度も足を運び、許可が下りるまでに1年以上かかりましたね。
この活動で代ヶ崎浜の人たちが団結できたのは、みんな代ヶ崎浜をどうにかしなければと思っていたからだと思います。人には恵まれましたね。代ヶ崎浜の気風ですね。
第1期の100mは、小魚になぞらえた代ヶ崎浜の子どもたちが大波に吞まれたり、悪党と対決したり、クジラと出会ったり、子どもたちが冒険を通して成長する未来の物語が描かれています。
今、取り組んでいる第2期の100mは、小魚たちが代ヶ崎浜の過去を旅する物語です。来年までにおおよその形になるかな。
今、代ヶ崎浜は、多聞山があって、防潮堤におはじきのアートがあるから町内外から多くの人が訪れ、人の動きがすごくあります。寂しいより活気があったほうがいい。活気あれば住みたいという人が出てくるかもしれない。
多くの皆さんに来て喜んでもらいたいですね。これからさらに喜ばれることができればいいと思います。とにかく住みよい楽しい地区になるのが一番です。
◎代ヶ崎浜の人に限らず、町内外の方も参加できますので、1個でもいいから貼ってみて、関心を持ってもらいたいですね。毎月第3土曜日の9時から活動しています。
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▽応募方法
答え・住所・氏名を明記の上、7/22(月)まで、ハガキまたはメール(kouhou@shichigahama.com)でご応募下さい。クイズの回答者は町内の方に限ります。6月号の答えは、(イ)
Q.七ヶ浜町で作っていない米はどれでしょうか?
(ア)ささにしき (イ)ひとめぼれ (ウ)こしひかり
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