市内の知られざるスポットを調査してきました
■文化財で感じる秋の深まり
今回は、11月3日の文化の日にちなみ、全341件ある市内の指定・登録文化財の中から、紅葉を楽しめるスポットを紹介します。地域に生きた人々が伝えてきた、かけがえのない自然や文化的遺産。真っ赤に彩られる紅葉を見上げて、その歴史に思いを巡らせてみませんか。
○圧巻の巨大イロハモミジ
七北田川沿いの閑静な地にたたずむ賀茂(かも)神社。本殿は2社からなり、元禄時代に仙台藩四代藩主伊達綱村公が鹽竈(しおがま)神社を改築する際、境内(けいだい)にあった糾(ただす)の宮を下賀茂神社として現在地に遷宮(せんぐう)し、その後、上賀茂神社を勧請(かんじょう)(神様の分霊を移すこと)したとされています。
入り口の鳥居をくぐると目の前に広がるのは、県の天然記念物に指定されている2本の「イロハモミジ」。樹齢は推定200年以上で、どちらも15メートル以上の高さを誇ります。木々の紅葉はもちろん、落ち葉が赤いじゅうたんのように地面を彩る姿も必見です。
○戦の舞台となった岩切城跡
岩切城は、現在の仙台市から利府町にまたがる大規模な山城でした。鎌倉時代に陸奥国留守所(むつのくにるすどころ)(陸奥国の統治機関)の長官を務めた伊沢将監家景(いえかげ)の子孫である、留守氏の居城とされています。
昭和57年に国の史跡に指定され、現在は県民の森の一角に高森山公園として整備。園内には、敵の侵入を防ぐ土塁(どるい)や堀切(ほりきり)などが残り、幾度となく争いがあった古戦場であったことがうかがえます。南側の登城路では、秋風になびく紅葉が訪問者を楽しませてくれます。標高約106メートルの頂上では、街並みの景色が眼下に広がり、天気の良い日は、太平洋を望むこともできますよ。
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