認知症は誰もが関わる可能性のある身近な「脳の病気」です。高齢化の進展に伴い、認知症の方は増加すると推計されています。
▽岩沼市の認知症高齢者の推移と見込み
■認知症を正しく理解し、地域で温かく見守りましょう
認知症は物忘れとは異なり、脳の病気によって記憶力や判断力が低下し、生活に支障が出ている状態のことで、仕事や家事など普段してきたことでミスが増える、慣れた道で迷うなどの症状が現れます。
徐々に症状が進行しますが、診断されたからといって突然何もできなくなるわけではありません。診断後も地域で生活し、活躍している方はたくさんいます。
一人ひとりが認知症について正しく理解し、当事者やそのご家族を地域で温かく見守ることで、認知症になっても自分らしく安心して暮らし続けることができる地域につながります。
令和6年度からスタートした「岩沼市高齢者福祉計画・第9期介護保険事業計画」では、基本目標の1つを「認知症になっても、自分らしく安心して暮らし続けることができる」としました。
■具体的な取り組み ~地域全体で共に支えあうために~
◇認知症サポーター養成講座
学校や地域の方などを対象に、地域包括支援センターの職員が出向いて認知症について分かりやすくお伝えします。
◇認知症初期集中支援事業
医師、社会福祉士、言語聴覚士、介護支援専門員などの専門職が当事者やご家族の相談に応じ、認知症の早期対応に向けた支援を行っています。
◇認知症地域支援推進員の配置
認知症の方やそのご家族などの個別相談のほか、認知症の方の医療や介護などの支援ネットワーク構築の要として、地域の特徴や課題に応じた活動を展開しています。各包括支援センターに1人ずつ配置しています。
◇普及啓発活動
認知症を知る月間に合わせて、図書館にブースを設けています。市内スーパーのご協力をいただき、岩沼高等学園の生徒と高齢者が作った啓発グッズとリーフレットを店頭で配布します。
◇認知症カフェ
認知症の方やそのご家族、地域の支援者などが自由に集まり、お話やレクリエーションを楽しんでいます。
(本紙20ページに関連記事)
◇チームオレンジいわぬま
地域で把握した認知症の方やご家族の悩みや希望と支援者をつなぐ仕組みです。各包括支援センターにチームがあり、認知症地域支援推進員がコーディネーターの役割をしています。
◇介護家族向け「つながレター」
発行毎月ご家族向けに発行している市オリジナルの情報誌です。
■認知症サポーター養成講座を受けた名取高校家政科2年生の皆さんの意見(抜粋)
◇一緒に活動する
・農作業をする
・ダンスやラジオ体操をする
・お茶をしながらお話や昔の遊びをする
・買い物や散歩に行く
◇認知症を正しく知る
・会いに行く
・自分にできることを調べ、知識を得る
◇ちょっとした工夫や心掛け
・困っていたら優しく声を掛け、あいさつをする
・せかさない
・伝わりやすい言葉を使う
・変化に気付く
・相手の気持ちを考え、否定しない
・笑顔を心掛ける
◇高齢者に教えてもらいたい
・これまで経験したこと
・着付け
・農作業
・料理
■認知症に関する相談窓口 ~困ったときは早めに相談しましょう~
◇地域包括支援センター
各地域包括支援センターには、認知症地域支援推進員がいます。ご自身のこと、ご家族のこと、ご友人やご近所の方のことなど、気になることがありましたら気軽にご相談ください。
(本紙20ページに関連記事)
◇認知症初期集中支援チーム
委託先:社会医療法人将道会 総合南東北病院
【電話】23-3746
認知症の専門職(医師、社会福祉士、言語聴覚士、介護支援専門員など)が相談、必要な医療、介護の導入・調整、家族支援などの初期の支援を包括的・集中的に行い、自立生活をサポートします。
問合せ:介護福祉課
【電話】24-3016
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