◆2050年川崎町は消滅しません。国をあげての対策が問われています!
◇宮城の人口は2割減
2050年には、東京都以外の46道府県で75歳以上の総人口が20%を超える――。ほとんどの市区町村が人口減少、人口1万人未満の市区町村が4割を超えると予想されています。
宮城県の人口も、現在の230万人から183万人に。これは1970年代と同じ水準。26年後には約2割減ることになりますが、65歳以上の高齢者の割合(高齢化率)は、現在の29・7%から39・4%に上昇し5人に2人が高齢者になる見込み。
県内35市町村でも人口増の市町村はなくなり、石巻市・大崎市とも人口が10万人を下回り、仙台市以外に人口10万人を超える自治体はなくなるのです。
◇川崎町は9番目
減少幅が最も大きいのは丸森町、50年後には現在の4割まで人口が減少。高齢化率も県内で唯一60%を超えるようです。丸森町に加え、南三陸町、七ヶ宿町、女川町は、50年には人口が半減。七ヶ宿町は1262人から599人に。県内16の市町村で4割人口が減るのです。
川崎町は減少幅で9番目の54・2%。26年後には4525人になると。
◇夫婦の数は50年で半分
50年前、婚姻件数は年間110万組。現在は約50万組。50歳以上の未婚男性の人口は、44年前、約17万人だったのに対し、4年前には約391万人に激増し、実に23倍になっています。もはや、日本人にとって結婚は、当たり前ではなくなっているのかも知れません。
これまでの男性は、妻子を養うため、わずかな小遣いでモーレツに働く。女性は、自分の仕事や夢は後回しにして子育てに喜びを見出す。そんな人生を「古臭い」「時代遅れ」と敬遠する若者は確かに多いのかも。
しかし、現代の若者が結婚したくないばかりでなく、できない事情があることも事実です。50歳までに一度も結婚したことのない男性が3割、女性も2割近く。しかも非正規で働く50歳の男性の未婚率はなんと6割に達しています。また、日本人の平均賃金は、27年前から上がっていません。
経済的理由で、結婚したくてもできない人が増え続ける。未婚や少子化は、非正規雇用が働き手の4割を占め、賃金の上がらない国に住む若者にとって必然のことだ、と私には思えてならないのです。
◇自治体ではなく
東北は、全体の7割を超える165市町村が消滅可能性自治体と名指しされました。宮城県では35市町村のうち19です。
しかし、少子化対策は自治体ではなく、国レベルの政策が必要なのです。実質賃金の引き上げ、非正規雇用の処遇改善、食料安全保障、過疎地域の存在意義をお互い共有していく方向性、等々。
結婚する若者たちが半減し、生まれてくる赤ちゃんも43年連続で減り続けているのが日本の現状です。
かつての日本の問題は、若年男性の流出と産業振興でした。長男が残って家が守られるか、そのための仕事が地域にあるか。産業振興は地域の男性を流出させないためでした。
ところが今は「長男はいても嫁が来ない」が問題になっています。若年女性(20歳から39歳)の人口が半減するからなんとかしなさい、と。
人の奪い合いをしていても問題は解決しないと思います。国をあげての「若い世代の結婚・出産・子育て」の対策が問われているのです。
令和6年8月1日
川崎町長 小山 修作
●2050年の推計人口
(指数は2020年=100とする)
※国立社会保障・人口問題研究所の「日本の地域別将来推計人口(令和5年)推計」より抜粋
●2050年総人口の割合が低い市町村
1 丸森町…40.6
2 南三陸町…41.7
3 七ヶ宿町…47.5
4 女川町…47.6
5 涌谷町…51.3
6 気仙沼市…52.1
7 栗原市…52.5
8 加美町…53.8
9 川崎町…54.2
10 大郷町…54.8
11 白石市…57.0
12 松島町…57.6
12 登米市…57.6
14 村田町…58.1
15 色麻町…59.0
16 角田市…59.2
17 蔵王町…60.6
18 石巻市…61.9
19 七ヶ浜町…62.0
20 美里町…65.6
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