■~未来につながる新たな取組み~
令和4年12月、「学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドライン」がスポーツ庁・文化庁より示され、東松島市教育委員会では地域の協力のもと学校部活動の地域への移行を進めています。
また、市では英語を中心とした外国語に触れる機会を保障し、義務教育9年間を見通した継続的な学びを展開することで、グローバル化が進む現代社会に対応できる素地を育むとともに、英語活動を通して他の人と積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を養うための取組みを行っています。
そのほか、新たな施設整備や既存施設の更新状況等、東松島の未来を担う子どもたちが元気に笑顔で学校生活を送り、より良い明日へつながるよう思いと願いを込めて進めている取組みについて紹介します。
◇どんなメリットがあるの?
学校部活動地域移行は自治体の実態に応じて進めることとされており、現在はその準備期間となっています。他校の生徒や地域の指導者と広く活動することから人間関係を広げることもでき、専門の指導者に教えてもらえることで技術力の向上も図れます。また、地域の指導者が指導にあたる分、教職員の負担軽減にもつながります。
東松島市教育委員会では、市内中学校合同部活動東松島市モデル「ひがまつALL」をスローガンに掲げ、令和5年度は次の3点を基本方針に部活動の地域移行を進めています。(1)学校単位で出場する大会が集中する4~9月は学校顧問が指導を行う。(2)10~3月の土・日曜日および休日のうち、月1回程度、地域の指導者と顧問の代表者による複数校での合同練習を行う。(3)現在、外部指導者登録をして指導に当たっている方が、土・日曜日に他校へ赴いて指導することもできることとする。
■東松島市の部活動地域移行化に備えて
◇少子化でも志ともにする仲間集う
近年、中学校の部活動においては、少子化の進行による中学校の生徒数減少に伴い、生徒たちが希望する部活動の設置が困難なケースが生じたり、人数不足のために日頃の練習相手がいないといった弊害が生じています。
また、教職員の働き方改革の推進なども踏まえ、令和4年12月にスポーツ庁および文化庁から「休日の中学校の学校部活動」を地域に移行する方針が示されました。市では、これまでもコミュニティ・スクールなど地域とともに学校運営を行っており、新たな取組みとして、今後の部活動の本格的な地域移行を見据えて連携を進めていきます。
◇どんなことが課題?
まずは地域の指導者を把握、人材バンクを設立するなど、人材の確保が必要となります。受け皿となる地域団体との連携のほか、合同練習のためには参加者・日程・指導者・場所・学校等を調整するコーディネーターの役割が大きく、活動場所までの移動には保護者の協力も不可欠となります。
解決すべき課題はありますが、地域と学校そして自治体が連携して子どもたちの部活動を支えていくことで部活動の枠組みを超え、地域の活性化や地域交流を生み出せるような取組みを目指していきます。
■市内3中学校でサッカー指導
仙台大学3年生 工藤玲路(くどうれいじ)さん
今年の3月から市内の中学校でサッカーの指導にあたっています。近年の少子化で、どの部活動も部員数が減少しており、本市も例外ではないと感じています。人数が少ないと練習内容が限られたり、チーム間での競争心も衰えてしまいます。技術を高めるために部活動ではなく、クラブチームに所属するという子どももいますが、理想は部活動でも同じように高い技術を身に付けられ、夢や目標の実現につなげていくことだと思います。そうした面から、専門技術を持った指導者が関われることは大きな一歩だと思います。中学校単独ではなく、オール東松島として捉えて合同練習にあたれることも競争心を高めることにつながると思います。
しかし現在も練習の際は先生方も最低1人は携わる必要があり、私たちのようなコーチも少ない状況です。地域移行の本格化に向けて、子どもたちに携わりながら自身の経験や技術を伝える場があるということをまずは広く知ってもらい、これまでスポーツなどに携わってきた人たちがプレー以外の選択肢として指導の道を選ぶことにつながれば良いと思います。地域のサポートで東松島の子どもたちが各界で活躍することが楽しみです。
■専門指導 試合に活かす 対人練習活発な環境を
矢本二中2年生 柔道部 安倍帆南(あべほなみ)さん
柔道部は部員数が乏しく、対人練習ができない平日はウエイトトレーニングだけのメニューになっています。なので、毎週日曜日の矢本一中での合同練習が貴重な実践の場です。蛇田や女川からも集まり、さまざまな階級の人と練習できるほか、専門のコーチの人に教えていただいていることで、技の避け方、反撃方法など試合で活かせる技術を教えてもらい、結果につなげることが出来ています。
平日はスポ少に実践練習を求めています。同じ中学生が一堂に集まって練習できる環境が増えればいいと思います。
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