■219 運難下(うんなんした)遺跡
運難下遺跡は、一迫真坂地区にある縄文時代・平安時代の遺跡で、長崎川南岸にある丘陵の北側の麓に位置していいます。この地点には遺跡が密集していて、丘陵の頂上には同じ縄文時代の遺跡である上野原(うえのはら)遺跡が、西側には中世の城館跡である、清水館(しみずたて)跡があります。
運難下遺跡付近の標高は50メートル前後、遺跡の範囲は南北約150メートル、東西約170メートルです。簡易水道施設整備事業の実施に伴い、平成13年度と平成16年度に発掘調査が行われ、平安時代の竪穴建物跡を3棟確認しました。
平成16年度に調査した竪穴建物跡は、4.2メートル×3.8メートルの四隅が丸い方形でかまどが付いていました。この他に、掘り下げた床面に土を貼って固めた痕跡(貼床)や、建物の内部の壁際に掘られた溝(周溝)が見つかっています。竪穴建物跡からは、土師器(はじき)※などが出土していて、その特徴から、竪穴建物跡の時期は9世紀ごろと考えられます。
一迫地区では平安時代の集落跡の調査例がほとんどないことから、運難下遺跡は貴重な例として旧一迫町の史跡に指定され、現在は市の史跡に指定されています。
※古墳時代から平安時代にかけて作られた、装飾的な文様がほとんどない赤褐色の素焼きの土器
種別:市指定記念物 史跡
指定日:平成16年11月24日
所在地:一迫真坂字清水
問い合わせ先:教育部文化財保護課
【電話】42-3515
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