デジタル化によって、私たちの生活が便利になる一方、巧妙な手口で私たちに近付いてくる悪質な事業者。
「自分はだまされない」と思っていませんか。
今月は、身近な消費者トラブルや対策について紹介します。
◆消費者トラブルの多様化
スマートフォンなどのモバイル端末の普及により、いつでもどこでも買い物ができるネットショッピングを利用する人が増えています。
その一方で、巧みな話術や、実在する企業などを装って消費者を惑わせる悪質な事業者も多く、全国で詐欺被害が後を絶ちません。
また、孤独や孤立感、健康に対する不安などに付け込み、親切を装って高額な商品やサービスを勧めてくるケースも見られます。
◆被害の現状
消費者庁が公表している「令和5年版消費者白書」によると、令和4年中に全国の消費生活相談窓口へ寄せられた相談は、87万件に上ります。平成30年から比較すると減少傾向にはあるものの、被害金額は約6.5兆円で、過去5年間で最も多くなりました。
市に寄せられた相談は、過去5年間で最も少なくなりましたが、令和5年は増加に転じ、消費者トラブルに巻き込まれた市民からの相談が、今も寄せられています。
◇消費生活相談件数の推移
◆他人事ではありません 栗原を取り巻く消費者トラブル
◇被害金額
◇相談者の年代
◇相談内容
◇相談事例
通信販売:化粧品、健康食品の定期購入販売、偽サイトなど
不明・無関係:身に覚えのない荷物、架空請求など
電話勧誘販売:インターネット接続、海産物販売など
店舗購入:賃貸住宅、中古車、スマートフォンなど
訪問販売:布団の打ち直し、屋根工事の点検・修理サービスなど
マルチまがい:サイドビジネスなど
◆市内での被害状況
令和5年に、市の消費生活相談窓口に寄せられた相談は235件、そのうち60代以上からの相談は122件で、全体の約52パーセントを占めています。
被害金額の総額は約1736万円で、5万円未満の相談割合が最も多くなっているものの、被害金額が100万円以上に及ぶ事例も見られます。一件当たりに換算すると、約22万5千円の被害を受けている状況です。
相談内容は、さまざまありますが、化粧品の通信販売や健康食品の返品、定期購入に関するトラブルなどが多く、身に覚えのない荷物や架空請求メールが届いたケースもありました。
通信販売の相談割合は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大などの影響による巣ごもり需要の増加や、幅広い年代にスマートフォンが普及しインターネット利用が増加したことで、消費者からの相談はさらに増え続けています。
生活が便利になる一方、年代を問わず誰にでも起こり得る消費者トラブル。決して、他人事ではありません。
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