(226) 大栗(おおぐり)A遺跡
大栗遺跡は、一迫長崎地区大栗にある縄文時代から弥生時代にかけての遺跡です。長崎川左岸の丘陵から南へ細長く伸びる尾根の先端とその麓に位置し、その北側には同じく縄文時代の大栗B遺跡、さらにその北東に大栗C遺跡が分布しています。遺跡の範囲は南北約110メートル、東西約280メートルで、標高は約150メートルから165メートルほどです。
大栗遺跡は、本格的な発掘調査は実施されていませんが、昭和の時代から土器片や石器など多くの遺物が、地元の人々や郷土史家、考古愛好家など、さまざまな人たちによって採集されてきました。これまでに確認されている遺物の時期は縄文時代早期~中期(約12000年前~約4500年前)、縄文時代晩期~弥生時代後期(約3000年前~約2000年前)であり、断続的ながらも長期にわたって生活が営まれ続けた場所であると考えられます。
昭和40年代に、一迫長崎地区開業医としての業務のかたわら、周辺の遺跡を調べた興野 義一(きょうの よしいち)氏は、昭和51年刊行の『一迫町史』で、一迫地区内で採集された遺物を時代・時期別の特徴に沿って解説しています。大栗遺跡はその中においても、縄文時代早期から弥生時代後期までの出土土器が多数紹介されており、当時から旧一迫町の代表的な遺跡として認識されていたことが分かります。
大栗A遺跡は昭和47年に旧一迫町の史跡に指定され、現在は市指定史跡となっています。
種別:市指定記念物(史跡)
指定日:昭和47年4月1日
所在地:一迫字大栗
問合せ:教育部文化財保護課
【電話】42-3515
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