今回は、8月号で答えきれなかった質問にお答えします!
◆第18回 星の数はいくつ?
Q.よく「星の数ほど」と言いますが、実際はいくつあるのですか?
これは正確にはわからないのですが、まず、星の集まりの銀河が2兆個くらいあります。それぞれの銀河に平均して3,000億個の星があるとすると、2兆×3,000億=600,000,000,000,000,000,000,000個(0が23個)なんて数字になります。ちょっと想像できませんね。私も、読み方がわかりません。星の数については諸説あります(チコちゃんみたいですみません)。とにかく、数えきれなくて、すべてが見つかっているわけではありません。
では、私たちが夜空で見える星は何個くらいでしょうか。これはずっと身近な数になって、肉眼で見える6等級くらいの星で8,600個くらいあります。その中で、一番遠い星は、カシオペア座のV509という星で、約1万6千光年(光の速さで1万6千年かかる距離)、地球から離れているそうです。
それでは私たちの太陽系が属している「天の川銀河」を見てみましょう。図にあるように、真ん中が棒状になっていて、星やガスの集まりが何本か渦巻のように伸びています。この端から端までが約10万光年の大きさです。我々の太陽系(地球)は、中心からちょっと外れた渦巻の上にあります(図の赤い丸)。
この地球から私たちが肉眼で見える一番遠い星の距離である1万6千光年の円を描いてみると、図の白い丸になります。この白い丸の内側の明るい星は肉眼で見ることができるのですが、この丸の外側は、明るく光る星でも遠いために、肉眼では見えません。そのため、銀河の中心の方を見ると、一つ一つの星を判別することが難しく、ガスやちりと一緒にボーっと明るくなっている天の川として見えるのです。
それでは、肉眼では見えない遠くの星を見つけるにはどうするか?もちろん望遠鏡を使います。宇宙に浮かぶハッブル望遠鏡やハワイのすばる望遠鏡など、はるか遠くの銀河を発見した、宇宙の謎を解明した、という話題が時々ニュースになっていますね。これからどんな発見があるか、楽しみです。
(JAXA角田宇宙センター 吉田誠)
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