■人口減少は地方だけの問題ではない!
人口減少がもたらす問題。それは将来、労働力不足とそれに伴う生産・供給力の減退とともに、国内消費・需要などの減少による経済規模の縮小を招き、社会保障制度やインフラ・行政サービス、国防などの安全保障に至るまで、あらゆる経済社会システムの機能が維持できない事態となり得ることです。
人口減少は国全体の問題であり、地方自治体だけで解決しきれる問題ではありません。
◇知事同盟サミット開催
「人口減少に向き合い、若者や女性が輝く地方へ」をテーマに、日本創生のための将来世代応援知事同盟サミットが、5月15日(水)宮崎市のシーガイアコンベンションセンターで開催されました。
「日本創生のための将来世代応援知事同盟」とは、将来世代を支える社会を実現するため、独自の発想と実行力を持ち、人口減少社会に立ち向かうトップランナーを目指す知事が、地方創生のため行動することなどをコンセプトとして立ち上げられたもので、現在25の道府県知事が加盟しています。
今回のサミットでは、18府県の知事らが宮崎に集い、東京一極集中の問題や少子化対策などについて熱い議論を交わしました。
◎令和5年の合計特殊出生率(概数)が発表されたね。国全体では、統計が始まって以来、過去最低となる1.20で、出生数も約73万人と過去最少だったよ。8年連続で前年を下回っているんだ。特に、東京の合計特殊出生率が0.99と、全国で初めて1を切ってしまったんだって。
◎総務省の発表によると、転入超過が続いている東京へ転入した女性のうち、20~30代が70%を占めているんだ(2021年)。
□POINT 九州・山口の男女・年齢階級別純転入数(2021年)
若い女性の転出は、地域で生まれる子供の減少につながり、人口減少を加速させる要因にもなっている。
▼河野知事
50年以上にわたる少子化を変えていくのは相当大きなエネルギーが必要であり、行政だけではなく、経済界、そして国民一人一人を巻き込み、大きなうねりを作っていく必要がある。
サミットを通じて、強い危機感を国全体で共有すべきだということを確認できた。国家戦略として人口減少問題に取り組むよう国に働きかけていく。
■東京一極集中の是正 国民の危機意識の共有
▼三重県 一見知事
資源の少ない日本で、一定程度東京に人的物的資源を集中させる必要があるのは理解するが、限界を超えている。
東京の出生率を改善する方法もあるが、出生率の高い地方に若者がとどまることが、出生率を押し上げることになる。地方の問題は働く場所がない、特に本社機能がないということ。地方の法人税率を下げるなど、首都圏の企業が地方に移転する政策を考える必要がある。
▼福井県 杉本知事
東京一極集中の課題を放置しているから自然減が加速化している。『地方の努力で』とよく言われるが、東京に人がとられたマイナスの中では、非常に不毛な戦いである。国が主体となって、東京一極集中の社会構造に本気で取り組んでいくことが人口減対策には極めて重要である。
◇「みやざき声明」を採択!
サミットの最後には、東京一極集中を是正し、若者や女性が地方で活躍できる地方分散型社会の実現や、国や地方、各界などが連携して国民運動を巻き起こし、官民一体となった推進体制の構築などを求める「みやざき声明」が採択されました。
声明とともに、人口減少への危機感を地方から世に提起する「人口戦略緊急アピールinみやざき」も発表されました。
知事サミット開催後には、同盟を代表して河野知事が国に出向き、緊急要請を行いました。
人口減少問題への危機感を地方だけでなく国全体で共有し、東京一極集中の社会構造を変えるなど、人口減少への対策を早急に推進するよう強く求めました。
◆宮崎県の人口減対策
他県の知事からは「宮崎は成功例」との言葉がありました。
県の取り組みの一部を紹介します。
合計特殊出生率全国2位!
~充実の出産・子育て支援~
▽宮崎県不妊治療費支援事業
生殖補助医療(体外受精や顕微授精など)のうち保険適用後の自己負担分および保険適用後の治療と合わせて行った先進医療について費用の一部を助成。
▽男性育児休業取得奨励金事業
九州初の取り組み!男性従業員が育児休業を取得した中小企業などに奨励金を支給します。条件を全て満たした場合、一事業者当たり最大100万円!
▽おむつの負担軽減モデル事業
全国初の取り組み!保育所などのおむつの定額利用料助成などを行う市町村に対し補助を実施。
おむつのサブスクによる手ぶらでの登園やおむつ処分費の負担軽減などにより、保護者や保育士の皆さまの経済的・精神的支援を図っています!
知事同盟の詳細はこちら!
※詳しくは本紙をご覧ください。
お問い合わせ:広域連携課
【電話】0985-26-7402
<この記事についてアンケートにご協力ください。>