■ユズリハ Daphniphyllum macropodum(ユズリハ科ユズリハ属)
▽「世代交代」「子孫繁栄」
標高1200mのえびの高原、平地と比べ、6から7℃ほど気温が低く、夏は避暑地、冬は雪景色を満喫するのには、最高のフィールドです。寒さに対応して落葉する植物が多い中、えびの岳山中で青々とした木を見つけました。大きな葉をもつユズリハです。
寒さにあまり強くない植物ですが、えびの岳の標高ではギリギリ生息可能なのか、さらに高い韓国岳などでは見かけることはありません。主に標高1000m以下で出会うことが多い植物です。
新しい葉が展開するとき、古い葉が譲るように落葉することからユズリハとついたようです。「世代交代」や「子孫繁栄」などを連想させ、縁起が良く、枝葉を短く切られた状態で、しめ縄や門松などの正月飾りとして使われています。葉に光沢があり美しいことから、庭木にされているものも多く見かけます。古くから霧島山に生息する生物と人は密接な関係があったようです。現代に定着したその文化を大切にしていきたいものです。
文:えびのエコミュージアムセンター
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