時として、私たちが目指すべき未来は変化します。
今、目指すべきは、「持続可能なまち」です。
このまちを未来の子どもたちに託し、また次の世代に託してもらうために。
子どもたちが抱く希望を、私たちの手で取り払わないために。
未来を見据えて、私たちにできることを考えます。
■このままでは、地球が危ない!
今夏、私たちを襲った猛暑。この暑さや近年の気温上昇の一因と言われているのが、地球温暖化です。
地球温暖化は、地球上で二酸化炭素(以下、CO2)やメタンなどの温室効果ガスが増加することにより、太陽からの熱が宇宙に逃げることができず、地球の気温を上昇させることをいいます。
地球温暖化という言葉を耳にするようになって久しいですが、未だに解決のめどが立たず、今この時も、地球温暖化による気候変動が進行しています。また、現在の地球温暖化対策を継続したとしても、その進行を食い止めることはできないともいわれているのが実情です。果たして、私たちには、温暖化を食い止めるために何かできることはないのでしょうか。
今号では、このまちに住む私たちに何ができるのか、どのような行動の変化が求められるのか、考えていきたいと思います。
■地球温暖化が進行すると?
地球温暖化による気候変動がこのまま進行すると、私たちの生活にどのような影響を与えるのでしょうか。
(1)気温の上昇
令和5年5月~9月の期間、県内で熱中症により緊急搬送された人数は931人。前年同時期に比べ、約140人も増加しています。
さらに今後、現在以上の温暖化対策をとらない場合、最高気温が30度以上の「真夏日」、最高気温が35度以上の「猛暑日」、夕方から翌朝までの最低気温が25度以上の「熱帯夜」の日数が増加すると予測されています。
県内では、21世紀末には猛暑日が現在より約28日増加、熱帯夜は現在より64日増加する可能性も指摘されています。
(2)海面水位の上昇
気候変動により海面水位が上昇すると、沿岸、低平地や島に住む人たちの暮らしに大きな影響を与えます。台風による高潮、沿岸域の氾濫、海岸侵食による被害をより多く受けることになります。
(3)農作物への影響
私たちの健康に欠かせない農作物にも大きな影響を及ぼします。気温が高いと色づきが悪くなったり、時期が遅くなったりします。農作物の収穫に影響が出ると、農作物を使って作られる加工品にも影響を及ぼし、私たちの食生活にも悪い影響が出ます。
※参考資料…「デコ活サイト 地球温暖化の現状」(環境省)、「宮崎県気候変動」(宮崎地方気象台・福岡管区気象台)、「熱中症による救急搬送人員」(総務省消防庁)
■ゼロカーボンシティを目指して
町は、地球温暖化や、それに伴う気候変動への対策として、令和4年に「ゼロカーボンシティみまた」を宣言しました。
ゼロカーボンとは、CO2の排出量と、森林などによる吸収量の均衡により、排出量を「実質ゼロ」にすることを意味し、国や都道府県だけでなく、世界中でゼロカーボンシティ実現に向けた取り組みが進められています。
町の宣言は、2050年にCO2排出量を実質ゼロにすることを目指すこととし、2030年度までに温室効果ガスを2013年度比で50%削減することを目標に掲げています。
■「脱炭素重点対策実施地域」に採択
ゼロカーボンシティを目指す町の方針が認められ、環境省の「脱炭素重点対策実施地域」に採択されました。
これは、ゼロカーボンシティ実現に向けて町が掲げる計画のうち、
(1)民間事業者と一体となった取り組みを推進する
(2)災害などにより停電した時の電力自給を実現できる
(3)地域経済循環を図っていく
という点が評価され、採択されたものです。本年度までに県内では三股町のほか、宮崎県、串間市が指定されています。
今後、国のバックアップのもと、町は5年にわたりさまざまな事業を行います。
環境省による「脱炭素重点対策実施地域」に認定され、国の支援を受けながら取り組みを進めていくことになりました。
■排出量の削減に注力する
「ゼロカーボン」を実現するためには、CO2排出量の削減、吸収量の増加を図ることが必要です。
本町は、町土の約70%が森林です。町内の民有林では、毎年多くの木が植樹されており、吸収量の維持をはじめ、豊かな自然環境を保護する取り組みが行われています。また、化石エネルギーからの転換として太陽光をはじめとする再生可能エネルギーの有効活用のほか、住宅設備の省エネルギー化などを、町全体で進め、より排出量を削減するための取り組みを進めていくことにしました。そのため、町は、一般家庭と事業所向けの補助制度を設けています。本紙4、5ページで紹介しますので、補助金の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
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