◆INTERVIEW
○長田小学校
教務主任 前原雄一(まえはらゆういち)教諭
全校児童57人の長田小学校。町内で最も小規模な小学校です。
同校で教務主任を務める前原教諭は、教員となって8年目。
2校目の赴任地として、現在長田小学校で勤務しています。
長田小学校に赴任して、今年で4年目になりました。赴任当初、まず全校児童の仲の良さ、そして一体感に驚きました。田植えや稲刈りをはじめとする学校行事などで上級生が下級生に教える文化や、全員が全員の名前を呼び合える関係性は、本校の大きな特徴です。
私は現在、6年生の担任をしています。本校の6年生は4人と、とても少ない人数で、児童一人一人に役割が与えられるのも特徴の一つです。最近の出来事だと、運動会で、6年生4人が2つの団の団長、副団長を、それぞれ担いました。
大・中規模の学校であれば大勢の児童の中で、元々リーダーシップのある児童などが務めるものですが、今年の6年生は4人のため、はじめから何か役割があることが決まっていました。担任として、はじめは「大丈夫かな」と不安でしたし、同じように4人の児童も不安だったかもしれません。しかし、日々の練習時から少しずつ成長する姿が垣間見え、そして運動会を終えたときの子どもたちの姿は、以前と比べてとても成長しており、私はその成長した4人の姿にものすごく感動しました。そして、指導を通して子どもたちの成長を支えることで、子どもだけでなく自分も成長したように感じられました。
そのほかにも、本校は体験の場、特にこの豊かな自然を生かした体験が多い学校だと感じています。私たち教職員による企画だけでなく、PTAなど保護者が企画してくださるものもあります。今の時代、動画サイトなどでいろいろな物を見ることができますが、実際に見たり体験したりすると、その体験が心に残る物になります。やはり、実際に何かを体験するということが重要です。そして、子どもたちがさまざまな体験をすることは、より良い人間関係を生むために大切なことです。
今後も、教職員一丸となって、また保護者や地域の人の手も借りながら、子どもたちの成長を支えていきたいと思います。
◆私たちの「成長の糧」
子どもたちの成長に、さまざまな体験が成長につながる糧となること、そしてこのまちにその体験の機会を提供する大人たちがいることを紹介しました。
その大人たちの姿や本紙2ページで紹介した徳重さん一家のインタビューを通して見えてきたのは、体験を通して子どもたちが成長する過程で、その体験や挑戦を支えることにより、私たち大人も一緒に成長できる可能性を秘めているということです。
それは、わが子や孫のみならず、私たちの周囲にいる子どもとの関係においても同じことが言えるのではないでしょうか。地域の子ども、仕事で出会う子どもと接して、家族とはまた違う角度でその体験や挑戦を支え、成長を見守ることにより、本紙7ページで紹介した前原さんが感じているように、さまざまな体験の機会が、このまちの、家族の、そして子どもたちや私たち一人一人の成長の糧となるのではないでしょうか。
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