■「源氏物語図屏風(びょうぶ)」
華やかな貴族文化が盛行した平安時代。その平安王朝の雅への憧れを強くしていた江戸時代の人々は、源氏物語などを基にした多くの屏風や書物などの作品を制作しました。
京都の相国(しょうこく)寺にある源氏物語図屏風もその1つであると考えられていて、左隻(せき)に「若紫」や「浮舟」、右隻に「初音」や「胡蝶(ちょう)」など物語の各場面が金雲に仕切られて描かれています。それぞれの場面が丁寧に細かく彩色されていることや、盛り上げて著(ちゃく)色(着色)された金雲に菊菱の紋様が押されていることで、華やかさが増しています。
また、一説によると源氏物語の主人公である光源氏は島津荘の所有者であった藤原頼通の父・道長がモデルになったといわれています。本屏風は、そんな道長ら平安貴族の様子をうかがい知ることができる興味深い史料でもあります。
※本史料は、11月26日(日)まで開催中の都城島津伝承館特別展で展示中
問い合わせ:都城島津邸
【電話】23‒2116
<この記事についてアンケートにご協力ください。>