■相原(あいはら)第1遺跡(山之口町富吉)
ほ場整備事業に伴い、令和2年から令和5年にかけて発掘調査を行った相原第1遺跡。縄文時代早期と弥生時代の集落跡のほか、古墳時代の地下式横穴墓22基や鉄の鏃(やじり)、鉄剣などの副葬品60点以上を発見しました。
約1500年前の古墳時代中期に、南九州の東部で多く造られた地下式横穴墓は、地面に深い竪穴を掘り、竪穴の壁から横方向に穴を掘って造られた墓で、独特の構造をしています。玄室(げんしつ)と呼ばれる横穴は、死者を埋葬する空間で、副葬品が納められる場合もあります。本遺跡では、羨道(せんどう)(竪穴と玄室をつなぐ通路)を石でふさいだものや、羨道や玄室を赤い顔料で彩色したものなどの珍しい事例が確認されました。また、近畿地方で製作されたと考えられる副葬品が出土していて、大和政権との交流も想定されます。本遺跡の地下式横穴墓群は、都城盆地の中でも最古級に当たり、当時の文化や流通をうかがい知ることができる重要な遺跡です。
※相原第1遺跡の出土品は、10月27日(日)まで山之口総合支所で展示中
問い合わせ:文化財課
【電話】23‒9547
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