■「足利義満像 無賛(むさん) 元鹿苑院什(ろくおんいんじゅう)」(相国寺(しょうこくじ)所蔵)
類まれな政治的手腕を発揮し、足利家家長の権力を強大化した室町幕府3代将軍の足利義満。11歳で将軍職を継いだ義満は、幕府の権限を拡大しながら有力守護を統制し、公家社会においても順調に昇進を重ね、武家・公家両方のトップに昇りつめます。さらに、幕府始まって以来の課題であった南北朝合一を成し遂げ、盤石の体制を築き上げました。義満は将軍職を辞して38歳の時に出家。出家後も日明貿易をはじめとする外交を展開するなど、足利家の家長として強い影響力を持ち続けました。
本史料は、1657(明暦3)年の義満没後250年の法要の際に新調された、義満の肖像画です。長きにわたり鹿苑院(京都市)に伝来しましたが、1873(明治6)年に同院が廃絶したため、本像を含む寺宝(じほう)が本山の相国寺(京都市)へ引き継がれました。現存する義満の肖像画は全て出家後の姿で描かれていて、本史料も義満の僧体を今に伝えています。
※本史料は、都城島津伝承館特別展で11月10日(日)まで展示中
問い合わせ:都城島津邸
【電話】23‒2116
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