■実隆(さねたか)公記 巻二十五
本史料は、室町時代の位の高い貴族・公卿(くぎょう)であった三条西実隆(さんじょうにしさねたか)の日記です。実隆が20歳の文明6(1474)年正月から、晩年82歳の天文5(1536)年2月までの出来事がつづられた本資料には、当時の朝廷の動きや、公家や武将の消息、応仁・文明の乱で荒廃した京都の様子などが記されています。
また、実隆は中世和学の発展に尽力した人物としても知られ、古今伝授※を極め、当代最高の文化人と仰がれました。日記中にも「源氏物語」や「古今和歌集」などの講釈が盛んに行われたことや、連歌師として活躍した宗祇(そうぎ)らの活動などが記されています。
掲載写真は文明18(1486)年7月1日の日記で、宗祇と和歌・連歌に関する知識や習わしを談じたことが記されていて、当時の実隆の文化的な交流の様子をうかがい知ることができます。
※「古今和歌集」の解釈を、師から弟子へと秘伝として伝えること
※本史料は、11月13日(水)から12月1日(日)まで特別展で展示します
問い合わせ:都城島津邸
【電話】23–2116
<この記事についてアンケートにご協力ください。>