■輪宝墨書(りんぼうぼくしょ)土器
古代インドの投擲(とうてき)用武器で、後に仏教において邪悪なものを除く道具として広く使われてきた「輪宝」。都城跡の調査で出土した本土器は、土師器坏(はじきつき)と呼ばれる素焼きの土器の内面に、この輪宝が墨で描かれ、その中央と底面に梵字(ぼんじ)が書き入れられています。
出土の際、都城跡本丸(現都城歴史資料館)の北側で検出された長方形に並ぶ四つの柱穴の中に、それぞれ一点ずつ埋納されていた本土器。こうした埋納の状況や梵字の模様から、城内で建物を建てる際に、地鎮(じちん)に用いられたものと考えられていて、安永城跡本丸(庄内町)でも一点出土しています。
本資料により中世城郭における地鎮(じしず)めの具体的な様子をうかがい知ることができます。
※本資料は、都城歴史資料館で展示中
問い合わせ:文化財課
【電話】23‒9547
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