文字サイズ
自治体の皆さまへ

砺波総合病院から

23/39

富山県砺波市

■新生児の聴覚(耳の聞こえ)検査
臨床検査科 主査 大橋美香

新生児期に行われている検査には、採血による先天性代謝異常の検査のほかに聴覚検査があり、どちらも、赤ちゃんの異常を早期に発見することができる大切な検査です。
一般的に、耳の聞こえに障害をもつお子さんは千人に1~2人の割合でいるといわれています。その場合には、早く発見して適切な支援を行うと、お子さんのお話する力やコミュニケーション能力を高くすることができます。
新生児聴覚検査は、生まれて間もない赤ちゃんの耳の聞こえを調べる簡易検査で、赤ちゃんの聞こえについて、さらに詳しい検査が必要かどうかを調べます。

●赤ちゃんの難聴の原因は?
妊娠中に「サイトメガロウイルス」や「風疹ウイルス」に感染すると、赤ちゃんの聴力や視力などに障害を引き起こすことがあります。
特に「サイトメガロウイルス感染症」は新生児の難聴の原因としての頻度が高いといわれています。
このため、新生児期に赤ちゃんの耳の聞こえを調べることは、とても大切です。

●どんな検査ですか?
検査は、自動聴性脳幹反応(AABR)という脳波を利用する方法で行います。
赤ちゃんがぐっすり眠っている間に、専用のイヤホンを赤ちゃんの耳につけて、ささやき声くらいの小さな音を聞かせ、脳の音に対する反応で検査機器が自動判定します。
数分~10分程度で実施でき、痛みや副作用もなく、安全で赤ちゃんに負担のない検査ですので、安心して受けていただけます。

●新生児聴覚検査の流れ
当院では、妊娠34週頃に、妊婦健診で新生児聴覚検査のパンフレットをお渡し、この検査を受けられるようお勧めしています。
出産後、赤ちゃんが生後3日目頃に、この検査の申込書と同意書を記載してもらった上で、初回検査を行います。
検査の結果がおもわしくなかった場合は、退院までの間に、再検査(確認検査)をしています。
検査後には、結果を説明し「耳の聞こえと言葉の発達」というパンフレットをお渡ししていますので参考にしてください。

●最後に
新生児聴覚検査では、成長過程でおこる中耳炎やおたふくかぜによる聴覚障害や、その他の原因により徐々に起きてくる難聴は発見することができませんが、お子さんの将来の健やかな言葉の発達のための第一歩として、この新生児聴覚検査を受けることをお勧めいたします。

お子さんの発達について、心配なことがありましたら、かかりつけの産科の医師や厚生センター・保健所の保健師などに相談してください。

病院のHPもご覧ください。

問合せ:砺波総合病院
【電話】32-3320

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU