■慢性腎臓病について知っていますか?
近年、「慢性腎臓病(CKD;Chronic Kidney Disease)」という疾患が注目されています。国内患者数は1330万人(20歳以上の8人に1人)という推計もあり、新たな国民病とも言われています。CKDとは病気を表す病名ではなく、腎臓の働きが慢性的に低下している状態を指します。血液検査や尿検査などによって、腎臓の機能の低下や蛋白尿などが3ヶ月以上にわたって確認されると、CKDと診断されます。
CKDが進行すると、透析などの治療が必要になりQOLの低下につながります。また、脳卒中や心筋梗塞などといった心血管系の合併症を発症するリスクが高くなります。腎臓は症状が現れにくい臓器の1つです。そのため、腎不全の症状である倦怠感やむくみなどの症状に気づいて受診された場合、すでに腎不全が進行して発見されるケースも少なくありません。健康診断などで年1回は血液検査と尿検査を行うようにしましょう。また、健康診断などで異常が指摘された場合は、症状がないからといって放置せず医療機関へ受診しましょう。CKDは早期発見、早期治療介入をすることで重症化を予防し、透析にならないようにすることが可能な疾患です。腎臓にご心配のある方は、ぜひかかりつけ医までご相談ください。
高岡市民病院内科部長 佐藤晃一
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