■海のまち診療所 中山医師の健康情報コーナー
冬の寒さが一層厳しい頃となりました。皆さま体調はいかがでしょうか。空気が乾燥し気温が低くなるこの季節は様々な感染症が流行します。
今回のテーマは「肺炎」です。
肺炎とは肺に細菌やウイルスなどの病原微生物が感染して、急性の炎症を起こす病気です。肺炎は日本人の死因の第5位に位置づけされる重大な病気です。また、肺炎は高齢者で罹患率、死亡率がともに高く、特に70歳以上の階層での肺炎による死亡率は2~4位を占めています。肺炎では一般的には咳、痰、発熱、息苦しさなどの症状がありますが高齢者ではこのような症状をはっきりと示さないことがあります。腹痛や失禁など呼吸器以外の症状がみられることもありますし、また「なんとなく元気がない」「食欲が落ちてきた」「ぼーっとしている」「活動性が落ちてきた」など精神的な変調がみられることも多いので周囲の方は注意してください。
肺炎は起こしてしまったら、治すためには抗菌薬などで治療していくしかありません。重要なのは肺炎にならないように予防すること、肺炎になったとしても重症化しないような対策をとることです。かぜやインフルエンザは肺炎の引き金となります。手洗いやアルコールによる手指衛生は感染症の広がりを防ぐ基本的かつ有効な方法です。またうがいは上気道炎予防に有効です。咳エチケットにより飛沫に含まれるウイルスが他の人にうつらないようにしましょう。
他に肺炎の予防としてワクチンがあります。インフルエンザウイルスに感染後は肺炎球菌による肺炎を起こしやすく、重症化する可能性が高くなります。インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンを両方接種することで、肺炎にかかりにくくなり、重症化を防ぐことが期待できます。インフルエンザワクチンは13歳以上であれば1回接種、肺炎球菌ワクチンに関しては65歳以上が対象で年齢やこれまでの接種歴によって投与のスケジュールが異なりますので接種を希望される方は海のまち診療所にご相談ください。
海のまち診療所
【電話】62-6001
<この記事についてアンケートにご協力ください。>