■海のまち診療所 中山医師の健康情報コーナー
今年の夏の気温は、全国的に平年より高い予想になっています。夏は湿度もあがり、熱中症の危険性が高まりますが、皆さん水分補給のためにスポーツ飲料を飲みすぎたりしていませんか?夏場でも高血糖になるため、注意が必要です。
今回のテーマは「糖尿病」です。
糖尿病とは、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が慢性的に高くなる病気です。すい臓から分泌されるインスリンというホルモンの量が不足したり、分泌されてもうまく効かなくなったりすることで起こります。
どうして糖尿病になるのでしょうか。糖尿病は1型糖尿病と2型糖尿病に分かれますが、糖尿病のある人の約95%が2型糖尿病と言われています。遺伝的な要因に加えて、生活環境、ストレス、加齢などが影響して発症します。また糖尿病は初期の頃、自覚症状がほとんどありません。血糖値が高い状態が続くと、少しずつ血管を傷つけ、やがて全身に様々な合併症があらわれます。目や腎臓、神経といった細い血管に起こる障害から、脳、心臓、足といった太い血管に起こる障害がみられます。
では、血糖の状態はどうすればわかるでしょうか。それは血液検査をして血糖値やHbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)など血糖の状態をみる検査が中心となります。HbA1cは過去1~2か月の平均血糖値を反映しており、合併症予防のためには7.0%未満にすることを目標としますが、年齢や罹病期間等を考慮し個別に治療目標は設定されます。治療の基本は食事と運動で必要に応じ薬を用います。
6月より政府の方針で、治療目標を設定したうえで生活習慣病を管理することが求められるようになりました。糖尿病・高血圧症・脂質異常症をお持ちの方は、健康管理・治療をサポートするため、医師・看護師より現在の生活習慣のご状況についてお伺いします。ご記入いただいた内容に基づき、生活習慣病の改善を目指す「療養計画書」を作成します。お手数をおかけしますがどうぞよろしくお願いします。
■日常生活に運動を取り込むコツ
≪会社勤めの場合≫
○通勤時
・早歩き、歩幅を広くする
・徒歩や自転車で通勤
・駅などでは階段を使う
○仕事中
・こまめに動く
・エレベーターなどを使わず階段を使う
・昼休みに徒歩で食事に出かける
・軽い体操をする
≪テレビを見ながら≫
・筋トレやストレッチ
≪家にいる時間が多い場合≫
○家事
・キビキビと掃除や洗濯をする
・家事の合間にながら体操
○外出
・歩いて買い物
・子どもや孫の送り迎え
・友人とお出かけ
歩くときは15~30分×1~2回、1日1万歩を目指しましょう
■食事はバランスよく!
主食・主菜・副菜をそろえてバランスよく食べる
○副菜
野菜・海藻・きのこ類
2品または100g以上を目安に
○主菜
肉・魚・卵・大豆製品
○主食
少なめに
ごはん・パン・めん類
・食塩(少なめに)
1日/男性7.5g未満、女性6.5g未満
高血圧に注意
・食物繊維(多めに)
1日20g以上
血糖値の急激な上昇を抑える
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