■今世紀末、真夏日が2倍に増えるかも…
近年、記録的な猛暑や豪雨など地球温暖化の影響と思われる異常気象が世界各地で多発しています。市もこの課題の解決に向けて、令和4年2月25日、2050年までに二酸化炭素(CO2)排出量実質ゼロを目指す「柳井市ゼロカーボンシティ宣言」を行いました。
今号では、脱炭素社会の実現に向けた市の主な取り組みを紹介します。
■温暖化が進むとどうなるの?
現在、二酸化炭素をはじめとした温室効果ガスの増加により地球温暖化が進行し、次のような影響が生じています。
・大雨の増加
・平均気温の上昇
・猛暑日の増加など
このままの状況が続くと、100年後にはさらなる異常気象の増加や生態系の変化などが予測されています。
◇2100年末の真夏日(最高気温30℃以上)の年間予測日数(西日本太平洋側)
現在約73日→2100年末約141日(約2倍)
■求められる「カーボンニュートラル」
地球温暖化に歯止めをかけるための対策の1つとして、温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」への取り組みが求められています。これは温室効果ガスの排出量から森林管理により樹木などが温室効果ガスを吸収する量を差し引き、合計を実質的にゼロにすることを意味します。
CO2排出量↔CO2吸収量…±0カーボンニュートラルの実現
■柳井市の取り組み
市では、脱炭素社会の実現に向けてさまざまな取り組みを行っています(数値は目安です)。
・スギの木1本あたりの二酸化炭素吸収量=約8.8kg(林野庁HPより)
●柳井駅南北地下道のLED化
○CO2削減量 スギの木 約3,000本分
約27t/年
○CO2削減率
約64%/年
●市役所市民ホールなどのLED化
○CO2削減量 スギの木 約200本分
約1.8t/年
○CO2削減率
約50%/年
●電気自動車2台の導入
○CO2削減量 スギの木 約130本分
約1.2t/年
○CO2削減率(ガソリン車との比較)
約76%/年
●断熱リフォーム63件の補助※R5年度実績
○CO2削減量 スギの木 約750本分
約6.6t/年
○CO2削減率
約16%/年
■無理なくできることから取り組みを
柳井市環境審議会委員や山口県環境アドバイザーを務める柳川眞知子さんに、家庭でできる脱炭素の取り組みなどについてお話していただきました。
柳井市環境審議会委員
山口県環境アドバイザー
柳川(やながわ)眞知子(まちこ)さん
◇電力に関する学びから環境問題に関心を持つように
21年前、風力や地熱発電など電力関連の研修を受けたことで環境問題に関心を持ちました。環境家計簿の発行やイベントでの地球温暖化対策の呼びかけなどを経験し、現在は山口県環境アドバイザーとして講演やエコクッキング教室などを行っています。
◇現実に発生する異常気象
活動当初から地球温暖化が異常気象につながると伝えていましたが、近年の豪雨や猛暑など、全国各地で毎年大きな被害をもたらす現象がここまでになるとは思ってもいませんでした。
◇継続することが大切
脱炭素の取り組みは、1人ひとりができることから始めることが大切です。食品ロスを減らしたり、車の運転時には急発進・急停車を控えるなど、無理なく継続できることから始めると良いと思います。
◇増えてきた電気自動車
二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量を減らせる電気自動車は、脱炭素を目指すにあたって不可欠だと言われています。最近、電気自動車を見かけるようになり、市内の公共施設3箇所に電気自動車充電器が設置されました。電気自動車普及のためのインフラ整備は重要で、市外から柳井を訪れた人にも利用されると思います。
◇有効な省エネ家電
LED電球は白熱電球と比べて寿命が長く、消費電力が圧倒的に少ないという特徴があり節電につながります。また最近の電化製品は省エネ性能が優れていますので、買い替えるときには省エネ製品へ切り替えることも有効です。
◇まずは少しの心掛けから
電気自動車や断熱リフォームなど脱炭素効果が高いものは初期費用がかかりますので、まずは少しの心掛けでできることから行いましょう。宅配を受け取る際、置き配ボックスや宅配ロッカーなどを使って再配達を防ぐことも実践の1つです。他にも次のことに取り組んでみましょう。
問い合わせ:市民生活課
【電話】22-2111内線166
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