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議会だよりNo.90(3)

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山口県阿武町

▽松田穣(まつだみのる)議員
Q.空き家調査の結果と町長の考えは
A.通り抜け道路はもう少し様子を見る

問:6月議会でも、奈古浦の通り抜け道路の整備に関して質問したが、空き家調査の結果を受けての町長の考えと、整備の可能性は。
町長:
前回5年前の空き家調査の結果と比べると、町全体の建物件数は71件増の1755件であり、そのうち空き家は423件で、80件増加している。
空き家率は24.1%となり、5年前の結果である20.4%からは3.7ポイント上昇した。
空き家の状態については、全体の423件のうち、即入居可能な物件は105件、多少の改造で入居できる物件は58件であった。
利用可能で空き家バンクに未登録の物件は、登録を促し、積極的に活用したい。
一方、倒壊の危険を伴う「特定空き家」の候補は52件であった。
危険な空き家に対しては、拡充した条例に基づいて「補助金」を活用し、町民の生活の安全安心に努める。
奈古浦の通り抜け道路案は、住民の利便性向上に加え、火災時などの消火活動や類焼防止を図る防災道路としても期待できる。
空き家の箇所を地図上に色付けすることで、「通り抜け線形」または「突っ込み線形」といった、検討に値する線が見えてくる。
今後、空き家や空き地などの現場調査を行うことで連担状況をさらに明確化し、現実的なイメージをできるよう、現在、担当課に指示している。
ただし、奈古浦のような住宅密集地での用地確保においては、用地費や補償費を含めた移転交渉は容易ではない。
防災道路の重要性は強く認識しているが、当面は、危険な特定空き家の解体事業を行い更地化を進めるほか、活用可能な空き家などについての認識も持った上でゾーニングを図り、もう少し様子を見ていきたい。

Q.子育て世帯・移住者世帯以外への施策が弱いのでは
A.見える形でも広く一般町民への施策を増やしたい

問:
5月の「まちづくり懇談会」の説明でもあったが、平成28~令和4年度の6年間で、町の基金(貯金)は9億8千万円増加しており、対する町債(借金)は9千万円の増加に留まっており、阿武町は非常に健全な財政運営を行っている。
子育て支援や移住・定住施策も充実しており、効果も徐々に数字に表れているように思うが、その一方で、子育て世帯・移住者世帯以外の町民に対する施策が弱いのではないか。
町長:
指摘の面は、確かにあると思うが、最近は、広く一般町民に受益する施策として、消防団員の中型免許取得補助や、特産品開発補助、事業承継補助、生ごみ処理容器補助、単独の合併浄化槽新設・更新補助、飲用井戸整備補助、狩猟免許取得補助、漁船取得補助、帯状疱疹予防ワクチン補助などなど、町独自または少数市町しかやっていない事業に取り組んでいる。
また、小土地改良事業などの町単独事業のほか、国・県の補助に町の補助を上乗せする事業や、国・県の採択基準から漏れる対象者への補助事業なども実施している。
いままで以上に見える形での一般町民向けの施策を増やしたいという思いや案もある一方、今後、地域医療の問題をはじめ、インフラ整備や長寿命化、働く場の確保などの、巨額の経費が必要な事業も想定される。引き続き健全財政を堅持しながら、メリハリのある財政運営や、必要があれば大胆な財政出動も辞さない覚悟で行政を推進し、町内の方からも町外の方からも「選ばれる町・阿武町」となるよう、努力する。

▽白松靖之(しらまつやすゆき)議員
Q.自転車利用者へのヘルメット購入補助を
A.他市町の状況を調べ検討課題としたい

問:
4月から自転車に乗る際のヘルメット着用が努力義務化された。
警察庁によると、全国で平成30~令和4年の5年間、自転車事故で死亡した人は2005人。この過半数の1116人は頭部に致命傷を受けており、そのうち96%がヘルメット不着用であったとのことである。
県教育庁は県立高校・特別支援学校70校に対し、来年度から、自転車通学時のヘルメット着用を義務化する旨を発表した。
これを受けて防府市はヘルメットを購入した高校生の保護者を対象に、一律5000円の商品券を交付している。
自転車を利用する高校生および一般町民に対するヘルメットの購入補助事業は、着用率向上につながり、町民の命を守るために有効だと思うが、町長の考えは。
町長:
ヘルメットへの補助制度を設けている自治体は、全国にいくつか存在する。
現時点では、補助対象を子どもや高齢者に限定していたり、安全基準を満たすヘルメットに限っていたりと、補助内容や補助割合についてもばらつきが多い。
確かに、自転車乗車時の事故や転倒から頭部を守る手段の一つであることや、安全で安心なまちづくりを進めるため、補助の導入を望む主旨は理解できる。
しかし、現在はヘルメット着用が努力義務に留まっていることや、個人と行政の線引きが難しいこともあり、他市町の状況などを調べ、今後の検討課題としたい。

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