▼長寿のために
山形市保健所長 山下英俊
日本は世界有数の長寿国です。2022年の平均寿命は、男性が81.05歳、女性が87.09歳です。1950年の段階では、日本の女性平均寿命は60歳前半、男性は60歳に届いていませんでしたが、1970年前後に世界のトップグループに追いつき、それ以降に平均寿命は延伸して、ほぼ世界のトップになりました。
なぜ、こんなに急速に平均寿命が延伸したのか、理由は一つではありませんが、厚生労働省の白書によりますと、戦後における医学・医療の進歩、公衆衛生活動の発展などが考えられるとしています。医療のレベルの向上によることは納得いただけると思います。
大切なのは、病気を健康診断(一般健診、特定健診など)、検診(がん検診など)などで早期発見、早期治療することなのです。そのために、定期的に健診、検診を受けて、自分では自覚症状がないときに疾患を見つけて適切に治療することが大切です。
日本人で多くの方が罹患(りかん)するがんでみてみましょう。2021年に国立がん研究センターが発表した5年生存率によると、胃がんでは、早期のステージIで98.7%、進行したステージIVで6.2%、大腸がんでは、ステージIで98.8%、ステージIVで23.3%です。女性の乳がん、ステージIで100%、ステージIVで38.8%です。残念ながら進行したがんに対しては困難もありますが、早期のがんがいかに治る病気になっているかがお分かりいただけると考えます。
山形市ではがん検診など多くの検診、健康診断に補助を行っています。市ホームページでご確認いただき、症状がない段階で受診されることをお勧めします。
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