■神室山の恵みを受けて―。
金山の清流で育てられた金(かね)ヤマメはやさしい甘みがあり、ホクホクとして上品な白身が特徴。一方、神室(かむろ)イワナはサケ科イワナ属の魚で、引き締まった身と、あっさりとした風味が特徴で食べやすい味わいです。いわなやでは、「日本二百名山」にも数えられる神室山の沢水と、最上川水系金山川の流水を養魚場へ直接引き込み、孵化してから約三年間、大切に育てています。地下水を利用した一般的な養殖と比べると、流水養殖は手間と時間がかかるが、山毛欅(ぶな)・樫(かし)・椚(くぬぎ)などの養分を含んだ水は上質で美味しい神室イワナと金ヤマメを育てます。
■養清き水を守る
養殖の「命」である清流。水質・水量の管理のため季節を問わず、山を登り、上流部の土砂の排出作業や水質調査を行います。「水だけに限らず、周辺の自然を守る事が大切だ」と語る池田さん。神室一帯の自然を守るため、山林や養殖場周辺の環境整備も欠かさないそうです。神室イワナと金ヤマメの裏には、季節や時間を問わない日々の努力があるのです。
■「生きる力」を育む里山での河川教育
近年、河川の整備が進み、私たちの生活はより安全で、安心できるものになりました。一方で緩やかで開けた河川が減り、子どもたちが川で遊ぶ機会がなくなった事で、金山川に生息している渓流魚を見たことも、聞いたこともない子どもが増えました。「川は危険だから近づかない」という教育から、子ども達が安全に川や渓流魚と触れ合うことが出来る教育と、自然との触れ合いのなかで〝生きる力”を育んでいきたいと池田さんは語ります。
■10月7日は「いわなの日」
毎年10月7日は「岩魚(いわな)の日」として、一般社団法人日本記念日協会様に認定された。これは、「一人でも多くの方に、渓流魚に触れる機会を提供し、関心を持ってもらいたい」、「内水面漁業の振興、そして、地域の里川を中心とした自然環境保護への関心を高めていきたい」という想いが尊重され、認定となった。池田さんは、この「いわなの日」を毎年お祝いし、美しい里山を残していきたいと願っている。
一人の熱意は清流のように
絶えず流れつづけ、やがて
大きな流れに変わっていく。
たとえ、ちいさな源だとしても
涸れることのない想いは
未来へ向かって流れていくのです。
令和5年。
一代目いわなやから
そそがれた愛と情熱は
二代目いわなやへ。
そして未来へ―。
清流とともに生きる 完
問合せ:池田
〒999-5401 山形県最上郡金山町大字有屋312
【メール】kamurotroutfarm@gmail.com
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