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美しい村を、美しいままに。-「日本で最も美しい村」連合加盟15年-

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山形県飯豊町

◆「日本で最も美しい村」連合に加盟して15年目を迎えた
NPO法人「日本で最も美しい村」連合(以下、「連合」)は、平成17年に7つの町村からスタートし、飯豊町は平成20年に加盟しました。
当時は、市町村合併が進み、小さくても素晴らしい地域資源や美しい景観を持つ村の存続が難しくなってきた時期でした。
連合は、フランスの素朴な美しい村を厳選し紹介する「フランスの最も美しい村」運動を手本として、失ったら二度と取り戻せない自然、環境、文化を守り続け、自立したまちになるための活動を進めています。
本町においても、先人から受け継いできた田園散居集落や屋敷林など、世襲財産を守り続ける活動を全国の59の加盟町村・地域と共に展開しています。

◆定期的に実施される資格審査
連合では、加盟時と加盟後5年ごとに加盟町村・地域において資格審査が行われます。連合の評価基準に基づき加盟15年目の再審査が今年の7月31日から8月1日にかけて連合資格審査員2名が来町し実施されました。
町が連合加盟の際に登録している地域資源は次の通りです。
(1)田園散居集落
(2)飯豊連峰
(3)中津川地区の里山景観と里山文化
これらの地域資源を生かし、「日本で最も美しい村」連合加盟町村にふさわしい方針と景観を持っている、「世襲財産の継承」に向けた取り組みを行っている、「経済的自立」に向けた取り組みを行っている、などの観点から審査がなされました。
町は平成29年度にバイオマス産業都市、平成30年度にはSDGs未来都市に選定されました。「社会」「経済」「環境」の三側面からバランスの取れたまちづくりを目指し、地域内循環型社会の構築、地域内自給、経済的自立といった持続可能な取り組みについて町内を視察していただきました。
審査において、下記の町の取り組みについて案内しました。
・地域で整備、管理しているホトケヤマ展望台からの田園散居集落景観
・人材育成に資する高等教育機関の電動モビリティシステム専門職大学
・地域内自給の第一歩の取り組みである町内の小麦畑
・森林資源の利活用モデルである、しらさぎ荘併設のチップボイラー
・耕畜連携によりエネルギー創出する、ながめやまバイオガス発電所
・郷土料理での温かいおもてなしで迎え入れる農家民宿
・デザインガイドラインを導入し、飯豊町らしさとエコな生活を兼ね備えたエコタウン椿
翌日には資格審査員による町内の若手キーマンとのディスカッションが行われ、現在行っている各々の活動や将来の飯豊町について、意見交換しました。

◆再確認した地域資源最高ランクの「A評価」
審査の結果、総合評価で「A評価」(A~Dの格付け評価で、C以上が審査通過)を頂くことができました。
連合から評価された総合評価「A評価」という結果はとても価値のあるものです。地域資源である田園散居集落は、自然にできあがったものではなく、飯豊に住まう先人たちが長い年月をかけて自然環境との共存の中で土地や社会が抱える課題を解決し、生み出されてきた、まさに人の営みが創り上げてきたものです。中津川地区の里山景観と里山文化においても、霊峰飯豊山の山懐に住まい、山の恵みや草木に感謝する心の表れが、おもてなしに反映されています。
今、日本各地では脈々と受け継がれてきた美しいふるさとの風景が消えかかろうとしています。どんなに素晴らしい地域資源も、そこに人がいなければ、守り続けることは難しいのです。

◆資格審査の評価ポイント
評価のポイントは次の通りでした。
・食やエネルギーの地産地消に具体的な進展がある。特にバイオガス発電、木質バイオマスエネルギー利用は町内資源を活用しており、ほかの町村の見本となる。
・地域食材を生かした町民による飲食店の料理が充実している。小さくともオーナーたちの心のこもったおもてなしが来訪者を喜ばせている。
・白川湖周辺の自然アクティビティが交流人口を増やしている。
・Uターン者、移住者など若者による交流事業や情報発信が活発で、行政が個々の動きを後押しする姿勢も明確である。

◆将来に向けた町への提言
資格審査委員から、将来に向けたまちづくりへの提言も頂きました。
・自家用車以外での、来訪者の町内移動の手段となる交通インフラの整備検討
・連合ロゴマークの積極活用によるブランド力向上
・地域資源に登録されている散居集落の屋敷林は、所有する個人や地域の協力なくしては存続が困難と思われる。該当する地域の住民活動の中で具体策を検討し、存続についての前向きな進展を期待
・飯豊町全体の中での中津川地区の積極的な位置づけと新たな仕組みづくり
これからも次代へと美しい村「飯豊町」を残していくために、まちづくりにさらに磨きをかけていきます。

◆「日本で最も美しい村」連合ビューティフルデー
連合では令和2年度から10月4日(連合設立日)を「美しい村の日」として制定。ビューティフルデーという名で、美しい村運動の原点であるまちをきれいにする活動や、まちの文化を継承する活動を展開しています。
飯豊町ではスマート缶トリー大作戦として、まちの美化活動を行っています。この取り組みは、美しい村が美しいままであり続けていることを町民が再認識し、次なるまちの将来に向けて機運を高めようと始めたものです。
10月14日町民総合センター「あ~す」駐車場をスタートし、参加者19名は2班に分かれて、ごみ拾いを行いました。ごみ拾いのコースは約2km。参加した子どもたちも元気に活動しました。参加者からは「1カ月ほど前に同じコースのごみ拾いを行ったが、その時同様にごみがあった。このような活動をしなくても良い町になればと思う」「1人では率先してごみ拾い活動を行う事ができないが、今日のようにみんなで活動する事で楽しくごみ拾いができて良い」「大人がごみを拾った後を子どもがまたごみを見つけて拾っていて、子どもの目線にびっくりした。初めて参加したが、また参加したいと思った」との感想がきかれました。
まちの中もBeautyに、町民の意識もBeautyに。まちを歩くと、普段目につかない部分に気づくかもしれません。触れることのなかった文化や地域のスポットに巡り合えるかもしれません。
身近な活動から「日本で最も美しい村」について考え、小さな幸せや子どもたちの笑顔の花を咲かせてみませんか?「日本で最も美しい村」連合ビューティフルデーの活動はこれからも継続して実施していきます。ぜひ町民の皆さんも一緒に美しい村運動を展開していきましょう。

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