近年、野生鳥獣が民家の庭先に出没したり、畑を荒らす被害、人身被害が全国で発生しています。町内でも、クマやイノシシなどによる農作物の被害が発生しています。令和5年度は、クマの目撃件数が4月から12月までに57件寄せられ、23頭捕獲しました。また、被害面積や被害金額は令和2年度をピークに減少傾向にあるものの、イノシシの目撃(痕跡(こんせき))情報や田んぼを荒らされるなどの被害は毎年報告されています。
人的な被害が出ないように、地域・学校・保護者・猟友会・町などが協力し安全を確保する取り組みをしてきましたが、長引く対策に疲弊しつつあります。
また、対策による一定の効果が得られているものの、「イノシシを捕獲するためくくりわなを設置しても、捕獲が想定以上に難しい」、「講習会や視察など他市町村で実績のある方に設置方法などを教わる機会を設けてほしい」との意見が寄せられており、鳥獣被害対策の難しさも浮き彫りになっています。
今後町では、電気柵・広域電気柵の設置や、追い払い活動に対する補助、捕獲活動推進のための捕獲機の補助など、国・県の事業も活用しながら必要とされる支援を継続します。また、生息域が拡大している現状を踏まえ、鳥獣が入り込めない環境を作っていくことで、「自らの地域は自らで守る」意識を高め、住民と行政が一体となった対策を進めていきます。
◆鳥獣被害を防ぐために
◇餌(えさ)になるような作物や果物の取り残しを無くす
餌となる屋外に放置された野菜や収穫されずに残された柿などを適切に処分することが、野生動物の出没を防ぐことにつながります。
◇里山と住宅地や農地との境をはっきりさせる
里山と人の生活圏の間に緩衝帯を設けることは鳥獣の被害対策に有効です。
◇鳥獣の農地侵入を防止する電気柵による対策
地域全体で実践することが被害発生防止の効果を一層高めることにつながるため、町では国や県の事業も活用しながら必要とされる支援を継続していきます。
◇「わな」などによる捕獲対策
猟友会会員に捕獲を依頼しています。また、捕獲技術の向上に向け研修を重ねていただいています。
■町内で目撃される野生動物
◇クマ(ツキノワグマ)
・頭胴長(体長):120~180cm
・体重:オス50~120kg メス40~70kg
民家の敷地内や付近の栗やクルミ、柿の木を狙って食べに来るため、出合い頭の遭遇に人的な被害の危険性がある。クマを近寄らせないための対策には、家や畑の周りにある放棄作物をきちんと片付けることが有効。
◇サル(ニホンザル)
野生のニホンザルは力が強く、歯も鋭いので襲われると大けがをする可能性がある。人里に下りてきたニホンザルがごみをあさる、民家に侵入する、畑を荒らすといった行動をとる。むやみにえさを与えない、近寄らないことが重要。
◇イノシシ
学習能力や記憶力が優れており、一度侵入に成功した場所には繰り返し出没し、農作物の被害が深刻化する。危険な場所も把握して近寄らないため、電気柵の設置などが有効。
■鳥獣被害関係補助事業
◆侵入防止柵(電気柵)設置事業
[個人型]
対象者:町内に住所または事業所を有する農業者および法人
対象経費:町内の農地に設置する有害鳥獣被害防除を目的とする電気柵の購入に要する経費
補助金額:当該購入経費の1/2以内(上限10万円)
[広域型]
対象者:町内に住所を有する農業者3戸以上で構成される組織
事業内容:町内の農地に設置する有害鳥獣被害防除を目的とする広域電気柵の購入に要する経費
補助要件:設置面積5ha以上、電気柵総延長1,000m以上、設置段数3段以上で組織による自主施工によるもの
補助金額:148円/m(1段当たり)を上限とする
[共通]
申込期限:6月28日(金)
◆狩猟免許等取得補助
◇対象経費と補助金額
[狩猟免許]
第一種銃猟免許:上限13,000円
わな猟免許:上限13,000円
[銃砲所持許可]
上限27,000円
※初心者講習会受講料、狩猟免許受験手数料、銃砲所持許可申請手数料や各種免許更新などの経費を補助します
◆追払活動事業
対象者:町内に住所を有する者で構成する組織
対象経費:地域が一体となって実施する、有害鳥獣被害防除を目的とする追払資材(追払用花火など)の購入に要する経費
補助金額:当該購入経費の1/2以内(上限3万円)
◆畦畔被害復旧支援事業
対象者:町内の農業者、農業組織
対象経費:イノシシによる畦畔の掘り起こし被害が確認された場合に、被害の復旧に要する経費(共済細目書に記載されている「水稲」圃場の畦畔のみ)
補助金額:300円/m(1申請あたり上限5万円)
※事前に被害箇所(全景)が写るように写真を撮影しておいてください
◆捕獲活動助成
◇事業内容・補助金額(有資格者のみ)
イノシシ 15,000円/頭
ニホンザル 8,000円/頭
ツキノワグマ 8,000円/頭
※有害捕獲許可期間に捕獲した鳥獣のみ
◆注意点
・各種補助金額については、予算の都合上調整させていただく場合があります
・必ず事前に役場農林振興課に相談してから申し込みしてください。申込方法はその際に説明します
申請・問合せ先:
役場農林振興課農業振興室【電話】87-0525
農林整備室【電話】87-0526
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