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自治体の皆さまへ

〔よくわかる〕令和6年度当初予算(2)

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山梨県

■〔ふるさと強靱化〕県民生活や県内経済を強く安心できる社会へ
皆さんにとっての「豊かさ」とは何でしょう。お金や時間、充実した仕事、家族との生活など、人それぞれ求めるものは違います。そうした中で本県が目指すのは「県民の皆さんが一人一人異なる幸福を得るために、自分の道を選び、歩みを進めていける社会」です。
「ふるさと強靱化」では、皆さんの自由な選択が妨げられない社会をつくる取り組みを進めます。自然災害の脅威はもちろん、経済的な不安定さや親の介護、保育・教育費の負担など、生活を取り巻くさまざまな不安やリスクを取り除き、安心して生活や仕事ができる環境づくりに全力を尽くします。

◇木造住宅耐震化促進など防災減災対策を強化
能登半島地震は決して対岸の火事ではなく、教訓として本県の施策に生かしていく必要があります。
石川県珠洲市などで木造住宅の倒壊が多発し、改めて建物の耐震化の重要性が認識されました。そこで県は、自己負担なしで耐震改修できるよう市町村と協力し、補助上限額を125万円まで引き上げ、上限までは全額補助します。山梨県内の耐震化率は8割を超えていますが、高額な改修費用などがハードルとなり、未だ約4万戸が倒壊のリスクにさらされています。耐震化をすれば、万が一大規模な地震が発生しても、ご自身やご家族を危険から遠ざけることができます。
発災時に迅速かつ安定的・効率的に情報収集・共有を行うことも重要であることから、既存の伝達システムに加え、新たに人工衛星を利用したインターネットサービス「スターリンク」を導入します。
また、防災・減災対策に資するインフラ整備に重点を置き、中部横断自動車道長坂―八千穂間や県内幹線道路網の整備などにより、海と空に開かれた「開の国」の実現を図るとともに、河川の改修や浚渫をはじめとした流域治水対策など、事前防災対策を充実していきます。
さらに、能登半島地震で停電が長期化したことを踏まえ、太陽光発電などの再エネを活用してエネルギーの自給自足を行う「地域マイクログリッド」の構築を促進します。
こうした強靱化対策にしっかりと取り組み、誰もが安心して暮らすことができる「災害に強いふるさと」をつくり上げていきます。

◇人口減少危機突破に向け実行フェーズへシフト 妊娠・出産を意識したライフプランづくりを支援
若い世代に向けて、将来の妊娠・出産をイメージし、自分の健康や生活に向き合う「プレコンセプションケア」に関するセミナーや健診を実施します。また、女性の多様なキャリア形成やライフプランを応援するため、保険適用外となっている卵子凍結費用を助成します。さらに、将来の教育費負担への不安を払拭するため、私立高校などに通う第3子以降の生徒について、授業料の実質無償化を図ります。
県民の皆さんと、人口減少に関する現状や課題など危機感を共有し、本県の目指すべき将来像(人口ビジョン)について、さまざまな知恵の集積によって「集合知」を発揮できるよう、県民各地で意見交換の場を設けます。現行の人口ビジョンを、県民総参加で創る「人口ビジョン2.0」に進化させ、人口減少危機突破を県民運動へと高めていきます。

◇物流の2024年問題への対応
トラックドライバーの負担を軽減するため「置き配」やゆとりある配送日時の指定など、再配達削減に向けた普及啓発を行います。また置き配を促進する条例の制定や宅配ボックス設置への補助制度の創設を検討していきます。
4月から始まるトラックドライバーの時間外労働の上限規制に伴い、物流の停滞が危惧される「2024年問題」。何もせずに放置すると、これまで通り荷物が運べなくなる恐れがあります。物流は皆さんの生活や企業の活動を支える重要な社会インフラです。再配達削減に向けた取り組みを支援することで、安定した物流の実現を目指していきます。

◇富士山の総合安全対策
富士山の抱える多様な課題を解決するため、5合目での登山規制やシェルター設置、富士山信仰・御師文化を支える伝統的登山の復興に向けた調査研究を行います。
世界遺産登録時に課された宿題の一つ「人が多い」。これを解決することは県の使命です。令和6年度は登山者数の管理や安全確保に全力で取り組みます。また、県施設の利用料として、登山者一人当たり2000円を徴収し、富士山の総合安全対策の財源として活用します。こうした取り組みにより、世界の宝である富士山を未来の世代へしっかり引き継いでいきます。

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