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〔特集2〕人口減少に立ち向かう(1)

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山梨県

長崎幸太郎知事が昨年6月に、「人口減少危機突破宣言」を出して1年がたちました。県・市町村・企業・団体が結集して人口減少危機を克服するため、さまざまな取り組みをスタートさせています。
6月の補正予算で、「対策パッケージ」に具体的な事業を追加。
政策の肉付けを進めています。11ページの表(本紙参照)にある各種基礎調査を実施し、そこから見えてきた課題を体系化して整理したのが「3つの視点」です。
(1)家庭や子を持つ希望に「よりそう」視点
(2)子育ての希望を「かなえる」視点
(3)家庭や子を持つ希望を「はぐくむ」視点
それぞれのライフステージにおいて、切れ目のない支援を実現していきます。

■「人口減少」は全国的な問題となっていますが、山梨県特有の課題はあるのでしょうか。
山崎史郎(内閣官房参与)×長崎幸太郎
長崎幸太郎知事と、人口減少問題の第一人者である山崎史郎・内閣官房参与が対談し、「処方箋」について語り合いました。その一部をお伝えします。
長崎知事:山梨県では特に、若い世代が将来への確信を持ちきれないことが一番の問題なのではないかと考えています。山梨で希望が持てなければ当然、外に出ていってしまいます。
山崎参与:人口減少に歯止めをかけるには、若年世代にターゲットを絞って定着、あるいは転入の流れを作っていくことが必要です。
長崎知事:山梨県では、若者が将来に希望を持てる産業を取り揃えようとしています。「豊かさ共創基盤の構築」を加速し、賃金アップによって人生設計を描いてもらいたいと考えています。
山崎参与:若年世帯、中でも「共働き世帯」が出産・子育てと仕事を両立できるようにすることがカギを握っています。地域での子育て支援や不妊治療など健康医療面の支援といった幅広いアプローチが必要になると思います。

■基礎調査から見えた課題
◇住環境調査
・合計特殊出生率と1住宅当たりの居室数とは正の相関関係があった
・建設費の高騰により、新築住宅を購入した子育て世帯は、中古住宅を購入した子育て世帯に比べ、約2倍の経済的負担を抱えている上、中古住宅よりも狭い住宅で子育てをしている

◇経済要因調査
・住居費への負担感が大きい。未婚者・既婚者がより良い居住環境への移行に踏み切れず、結婚・出産・子育てを躊躇(ちゅうちょ)する傾向
・未婚者や若年層ほど奨学金を返済中の割合が高く、負担軽減は婚姻促進・出生率上昇に寄与する可能性

◇結婚に対する県民意識調査
・結婚意思のある未婚者の多くが「自然な出会い」を待っており、「友人・知人の紹介」や「勤務先などでの出会い」を希望する割合が高い
・未婚女性が望む婚活サービスは、婚活を前面に出さない取り組みや、結婚前提ではなくライトな出会いの場を望む傾向がある

◇働き方改革等実態調査
・男性の育児休業取得率は低く、「職場に迷惑をかけたくない」などの心理が働いている
・県内企業の6割超は、男性の育児参加促進策を「特に実施していない」と回答
・子育て世代は、他の世代よりも収入などに強い不安感を抱いており、正規雇用労働者への転換を希望する割合が高い

◇県内職業系高校のキャリア追跡調査
・文系大学卒業者よりも職業系高校卒業者の方が平均年収が高い業種(製造業、建設業等)もみられた

◇山梨県こども計画策定に係るアンケート調査
・「子育てのしやすさ」の観点から行政に望む支援策として、「経済的支援」「気軽に相談できる窓口」が多い

◎皆さんのライフステージにおける具体的な支援策を次ページ(本紙参照)以降でご紹介します

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